都市型のシンプルヨガ

 ヒマヤラでヨーガを修行するという
とある小説を読んだ。
厳寒のヒマラヤをしのぐためにトゥンモという
体温を保つ技法や、
クレバスを飛び越えるルンゴムという
飛ぶように走る技法などなど、
びっくりな超能力的な技術がいろいろと出てきた。

いやー、凄いなぁ、と思った。
心と体の可能性という点では、ほんとうに凄いことだと思う。
でもこうも思った。

「必要ないな」

これらの技法をマスターするのに修行する労力を
かけるよりも、
寒かったらさっさとパタゴニアのハイテクな防寒服を着れば
いいし、飛ぶように移動したかったら、
ヘリコプターに乗ればいい。
小説にも書いてあったが、これらの技法は
ヒマラヤの環境の必要性から生まれたものであるとのこと。

だからといって日本の環境がぬるいといっているのではない。

年間に2万人以上が自ら命を断つ環境。
ヒマヤラとは厳しさの種類が違う。

情報過多、人間関係のストレス、
運動不足、過剰な労働。

ヒマラヤのヨガが、過酷なヒマラヤに適応するために
さまざまな技法を発生させたのなら、
それを日本に直輸入しても意味がない。

日本という環境でサバイバルするためのヨガで
ある必要がある。

ヨガにはエッセンスがある。
それは大昔から、それは人間の内に存在する
心身の方程式だ。
人間があるところにヨガはある。
だけど、大昔のインドと
現代の日本では、そのヨーガのエッセンスの
表現が変わってくる。

情報過多と忙しさ。
運動不足が慢性化した体。
とくに時間が無い。
一日2時間とか3時間とか、練習時間をとれる人が
何人いるだろうか?

そうなると出来ることは限られてくる。
全部できない。
だからエッセンスに近いものをする。
シンプルで根本的なこと。

「運動」(太陽礼拝)
「姿勢」(立禅)
「呼吸」(腹式呼吸)
「リラックス」(シンプルに体を伸ばすヨガのポーズ)
「瞑想」(体を感じること。呼吸瞑想)

エッセンシャルヨガはシンプルな都市型ヨガを自分で
実践する試行錯誤で生まれたものだ。

私はヨガティーチャーだ。
でも、やっている練習はクラスで教えているシンプルな
ことしかしていない。


Category: エッセンシャルヨガ, クラスについて

- 2015年2月15日

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