我々は幸福になるためによりも、幸福だと人に思わせるために四苦八苦している

 

「我々は幸福になるためによりも、
幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである」
というのはラ・ロシュフーコー箴言集に収められた言葉だ。

ドキッとする。
たしかに人からどう思われるのか、気にして生きている。
たいして自分を幸福にしないけど、
他人からみて見栄えが良かったり、聞こえが良かったりする
ような自分になるために努力していることがある。

就職、結婚、子供、持ち家、友達。
すべての選択に、他者の視線がしっかりと反映されている。
本当に自分を幸福にするかどうかわからないけど、
世間の目が厳しいからやらないといけないことを
クリアするための努力は虚しい。

こういうことから自由になるにつれて、
自分の人生がリアルになっていく。

周りからどんな目で見られるか、は幸福感に
影響するけれど、
自分の幸福感を後回しにして、外見だけ繕うのは
カラッポ人間への道だ。

他人からどう思われているのか?が気になるのは
人間の性だけど、これを克服できると
大きな一歩だ。

ここで思い浮かぶ処方箋は、
ドンミゲルスイスの「四つの約束」の
「なにごとも個人的に受け取らないこと」という約束だ。

だれかがあなたを軽蔑した。
でも、それはその人の持つ価値観でその人が
そう思っただけで、真実ではない。
あなたには関係がないことなのだ。
100人と出逢えば、それぞれの人の心の
中に100通りの「あなた」が生まれる。
あなたを友だと思う人もいれば、
嫌な奴だと思う人もいる。
でも、その他人の中にいる「あなた」は
あなたの持ち物ではないし、
他人の価値観で作られた他人の持ち物なのだ。
だから、他人からの言葉や行為を
「なにごとも個人的に受け取らないこと」

個人的にうけとると、他人の中にいる私の
イメージを変えようと奔走することになる。
それこそが、まさに
「我々は幸福になるためによりも、
幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである」
なのだ。

他人の中の私のイメージを変えようとするよりも、
自分が本当に変わること。
幸福であること。
そうすれば、自然にすべての人の中にいる
私も変わっていく。

 

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Category: ヨガ的かんがえ, 読書

- 2016年1月15日

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