自分を変える「10回読んだ本」をふやす

 

ゆっくりと考えながら読んでいくスローリーディングを極めると、
それは同じ本を何回も読むことに行き着く。
いい本でも、一回読んだっきりだとだんだんと頭から
ゆらゆらと抜け出し、
風に吹き飛ばされた煙のように消えてしまう。
いい本は10回読め、と斉藤一人さんは言った。
そのとおりだと思う。

ちなみに私がいままで10回読んだことある本は、
「現代人のためのヨーガスートラ」の1冊だけだ。
一読目は「難しくてよくわからないけどこれは重要な本だ!」と
いう印象で、再読をはじめた。

何回か読んでいくうちにだんだんと理解できる幅が増えて、
10回目には「うんうん、そうだよね」と全部以前から
知っていることばかり書かれている気がしたものだ。
サンスカーラ、ヴァーサナー、プラジュニャー、
アウディヤー、ラーガ、プルシャ、プラクリティ、ブッディ、シッディ。
最初はさっぱり頭に入ってこなかった用語も、
いまではその言葉を聞くとイメージと意味がわいてくる。

著者のグレゴールメーレ先生の知性を学ぶこともできた。
一冊の本には、その人の経験と思考パターンが封印されている。
しっかり読み解けばマンツーマンで習うような効果がある。

家には自分にとって重要だと思える本が何冊かある。
これらの本は、図書館でかりて一回読んで「なんていい本なんだ」と
ぜひ手元に置こうと買った本ばかりなので、
いままで何百冊と読んだ本のマイベストといえる本たちだ。
でも、それぞれ10回読んだかといえば読んでいない。
これはもったいない。
本を買うのは飾るためではなく、
繰り返し読むためだ。
一回読んでさようならの本なら別に
図書館でかりてもいいのだし。

そう考えると、もうしばらくは本は買えない。
買っても繰り返し読む時間がない。
このネット時代では、幅広く物を知っている価値はあんまりない。
どうせググれば誰だって膨大な情報にアクセスできるのだ。
でも、その何かを深く理解すること、日常生活にも活かせるくらい
人生を変えることは、ググってもできない。
繰り返し繰り返し読んで、知識を自分の背骨にしていくしかない。

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Category: 読書

- 2016年1月25日

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