立禅で動きが素早くなる理由

 

立禅というずーっと立ちっぱなしで動かない練習がある。
もともとは武術家のための鍛錬で、
このトレーニングは昔は秘伝扱いされていた。
「動かないトレーニング」が「動きを改善する」なんて、
コペルニクス的転回でこれに気づいた人は、
まさに天才というに相応しい。

この立禅なんだけど、
やると何故か動きが素早くなるという効果がある。
立禅をやりこんだ達人の動きは、昆虫のような
バネに溢れる人間離れした動きになる。
もちろん普通の人がやっても効果は体感できる。

その理由がひょんなことからわかった。
トレーニング関係の本を呼んでいたら、
ゆっくりと体を動かすスロートレーニングについて
書かれてあって、たとえばゆっくりとじわじわと
体を下ろすような腕立て伏せを繰り返すと、
瞬発力を発揮する速筋が鍛えられるというのだ。

え?それって逆じゃない?と思う。
ゆっくり動かしているんだから、持久力にすぐれた遅筋
が鍛えられるんじゃないだろうか。

それが違うのだ。
ゆっくり重さをかけて体を動かすと、筋肉は緊張したままになる。
そうなると筋肉内の酸素がなくなって酸素をメインの燃料源に使う
遅筋のスイッチがオフになって、変わりに速筋が働くというのだ。

立禅は、腕を動かさず足に負荷をかけて立つので、
同じように速筋が働く。
立禅をやり終えるとなぜか動きが素早くなるのは、
速筋を使うという神経回路が太くなっているから、と
いうことになる。

そういう理屈があるから、
動かない鍛錬やスロートレーニングで、
動きが素早くなる。

立禅は「瞑想」「気功」「肉体鍛錬」という
さまざまな要素がクロスしたトレーニングで、
優れもの。
ぜひおすすめです。

 

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Category: 立禅

- 2016年1月18日

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