二極化トレーニング

ナシーム・ニコラス・タレブの「反脆弱性」に
バーベル戦略というものがある。
これは極端な2つを組み合わせることで、
リスクを抑え、リターンを高めるというもの。

たとえば、資産運用ならば、
80%を現金を持って、
残りの20%をハイリスクな株式に投入するとか。

損失の上限は20%に限定されているけれど、
その株式が第2のグーグルだったら、
利益は天井知らず。
損失は限定的で、利益に制限はない。

タレブさんはトレーニングにもこのバーベル戦略を
取り入れていて、
ウェイトリフティングという高強度のトレーニングと、
あてどなくぶらぶらと散策するという極端な2つを
組み合わせて健康を維持している。

たとえば高強度のウェイトリフティングばかりしていると、
関節を痛める。
昔の根性主義のスポーツ選手は、高強度のトレーニングばかりして、
体がボロボロになり、年をとるとあちこち痛くて
日常生活に支障まできたす人が多かった。
実際に私もそういう人を知っている。

一方、散歩だけだと筋肉への刺激が足りず、年齢とともに
筋力が低下してしまう。

高強度(筋トレ)と低強度(散歩)を組み合わせることで、
筋トレで体を痛めることなく、健康長寿が保てるという仕組みとなる。

こういう試みは、近年のプロスポーツ選手にも取り入れられていて、
「アスリートは歳を取るほど強くなる」にも同様に練習に強弱の波を
つけて疲労をコントロールし高いパフォーマンスをだす選手の例が
書いてある。



 

という訳で、最近の私もバーベル戦略、二極化トレーニングを実践している。

ケトルベルとウォーキングである。

ウォーキングに関しては、私の中でもはや運動とは分類されていなくて、
長年のあいだ、
領域依存、つまり「こういうのが運動で、それ以外は運動じゃないし」という固定概念によって脳内から抹殺されていた。

私の仕事はよく歩く仕事で、たとえば昨日は一日に2万5000歩いた。
しかし、以前の私は本気で「今日はなんの運動もしていない日だ」と思って、
トレーニング用の手帳に「offの日」なんて真顔で書きこんでいた。
距離にしてトータル20キロも歩いているにも関わらず。

現在、
ケトルベルのスイングを週2回、約40分ほど高強度インターバルトレーニングのようにおこなって、あとは歩くことと瞑想、気功などのゆったり系の
トレーニングをおこなっている。

以前は、筋トレとランニングを組み合わせていた時よりも体調がいい。
疲労感が少ない。
バリバリのアスリートを目指すぜ!という人には物足りないかもしれないけれど、健康長寿を目指す変わらないトレーニングとしては、ほんとちょうどいいのだ。


Category: ケトルベル

- 2020年11月27日

Comments

  1. その視点、無かったです!
    ただ、私にとって成長目標の無いトレーニングは出来そうにありません…

  2. 年齢によって違うのかもしれません。
    44歳の私は、あんまりガンガン成長を目指すことを
    すると、疲労で仕事などに響くので、できないということもあります。
    若者ならば、肉体鍛錬は=成長ですが、
    老壮年者は、現状維持でオッケーかな、と思います。

    加齢で自然に毎年2%減っていく(数値は適当です)ものが、プラスマイナス0%ならば、実質2%成長、みたいな考え方を私はしています。

コメントを残す

Your email address will not be published / Required fields are marked *