達人のトレーニング

高校時代、ウェイトトレーニングをしたことがある。
翌日は腕が上がらない、腹筋激痛で、まともに動けない
状態になった。体は触られるだけで痛い。
そんなときふと

「昔の剣豪はこんなトレーニングしていのか?」と思った。

いまのボロボロの状態で、いきなり勝負がはじまったら
確実に負けるだろう。
剣を持つ手が筋肉痛でプルプル震えていたら話にならない。

いまになって思う。
剣豪は筋肉痛でパフォーマンスが落ちるような
トレーニングは絶対にしていない。
野生動物もしないだろう。
「翌日、確実に誰も襲ってこない」という前提がないと
できない。
現代でも試合前日のアスリートは、絶対に筋肉痛になるような
ウェイトトレーニングはしない。

ということは体を鍛えても、翌日のパフォーマンスを
極端に落とさない方法でやっていたことになる。
毎日できる鍛錬だ。

限界までやらない。
一箇所に過剰な負担をかけない。

という自分の「コンディションを整える+鍛える」
トレーニングになるだろう。

昔の剣豪と現代人がリンクする人物がいる。
伝説的剣豪たちと肩を並べる達人。
それは大東流の達人の佐川幸義だ。
エピソードを調べて見るに、
まったく異次元の技をもった達人。

 

 

th_sagawa

そんな大東流の達人の佐川幸義は意外にも毎日の肉体鍛錬を欠かさず、
これを重視していた。

木刀の素振りや四股、腕立て伏せなどを1000回単位でおこなっていた。
これが佐川幸義の「毎日できる鍛錬」だったのだ。
恐ろしい回数だ。
弟子が亡き後に遺品を整理していたら、初期の練習ノートをみると、
一日30回や50回からスタートしていることを発見して、その回数の
少なさに驚いた。
ここから推測するに「毎日できる範囲」を少しづつ増やしていったのだ。
そして、数十年。
晩年には1000回単位の鍛錬を毎日できるようになっていた。

佐川幸義語録
「同じ運動を最低3年から5年続けて、ようやく効果が出てくる」
「体がある程度できるのに、毎日鍛練しても20年はかかる」

これはウェイトトレーニングに代表される
「ノーペイン、ノーゲイン」の世界ではない。
心拍数をあげすぎてはいけない、というマフェトン理論の世界だ。

ここから導かれる結論がある。
何か新しいことをするとき、絶対に「限界までしてはいけない」
それは三日坊主の道だ。
物足りたいと思えるくらい少なくおこなう。
毎日できる範囲でおこなう。
そして、少しづつ量を増やしていく。

これが古くて新しいトレーニングの方法だと
私は考える。

佐川幸義先生の言葉を綴った本。
鍛錬の重要性がとかれている。

透明な力―不世出の武術家 佐川幸義 (文春文庫)

 


Category: ヨガ的かんがえ, 体を変える, 読書

- 2015年10月18日

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