領域依存、瞬発力を鍛えるケトルベル






領域依存という言葉がある。
ナシーム・ニコラス・タレブの「反脆弱性」にその例が書いてある。
高級ホテルにチエックインする銀行マンが、ポーターに重いバックを運ばせた後、ジムでウエイトトレーニングする。
つまり銀行マンにとって運動とはジムでウエイトを持ち上げるという固定概念、領域依存があり、自分でバックを運ぶという行為が運動に見えない。

じつは私も仕事で一日2万歩近く歩くのに、かなり長い間、その日を「運動してない日」にカウントしていた。
長年しているのに、まったく意識しない、見えていないという盲点が人間にはある。

そんな領域依存の話。
私は身体鍛錬の知識が好きで、ポールウェイド師のプリズナートレーニングはすべてもっている。

その中の
「プリズナートレーニング 実戦!!!スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ」
は、そのタイトル通り、スピードと瞬発力を鍛えるトレーニングで、ジャンプやクラッピングプッシュアップなどの
自重トレーニングのスピードトレーニングがのっている。





一通り読んだっきり、実践していなかったこれらのスピード瞬発力トレーニング。

昨日、ふとケトルベルを振っていて、

「あれ、これって、スピード、瞬発力トレーニングじゃない、、、、」

とあらためて気づいた。
めちゃくちゃビックリした。
普通に考えればピンときたはずなのに。

重たい体を急激にジャンプする=瞬発力トレーニング
重たいケトルベルを高速で降る=瞬発力トレーニング

どちらも瞬発力トレーニングじゃん。
ポール先生は偉大だけれど、その本で紹介していないトレーニング
以外はすべて瞬発力トレーニングではない、という話ではない。

恐るべき領域依存。

ケトルベルの本には、勢いよくケトルベルを振るトレーニングは
「バリスティック」
ゆっくりと持ち上げるトレーニングを「グラインダー」と分類していて、
私は、いままでずーっと

「ケトルベルをしているからこれはバリスティックトレーニングだ」

と思っていた。そして、夢にも瞬発力を鍛えるトレーニングをしているとは
思っていなかった。

最近、気づいた領域依存は他にもある。

仕事とはお金を稼ぐための手段だと思っていたが、
いつの間にか鍛えられている自分を発見して、
ようやく仕事=精神修行にもなるという盲点に光がさした。

瞑想というと座ってやるものだ、という固定概念をブッダがサティパッターナスッタで、日常生活すべてに気づくことで、修行になると説明してくれているのに、長い間、そして今も、私にとっては瞑想と日常生活は、分離したままだ。

固定概念は、便利だ。
考える必要がなく、瞬間的に物事を理解したと
思える。
しかし、かならず領域依存に陥る。

自分の日常生活を振り返るに、ほんとうに領域依存しまくりなんだと
思う。で、それに気づいていない。
まさに無明なのだ。




Category: ケトルベル

- 2020年11月15日

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