プラーナヤーマで性力をエネルギーにする

禁欲をするとエネルギーが高まり、人生が有意義になる。

ヨーガ(瞑想)では、禁欲することが必須条件になっている。出家者なら完全に禁欲、在家の修行者はパートナーを限定して、やたらと性行為をしないことが求められる。

これはアシュタンガ(八支則)ヨーガの経典であるヨーガスートラにも書かれているし、仏教でもそうだ。仏教では、僧侶が性交をすると僧団から追放されて僧侶の資格を失い還俗させられる。(セックスもして酒も飲む日本の僧侶はそういう意味では、仏教徒ではなくて在家のヨーガ修行者であるといえる。)

自然に備わっている性欲を禁止するなんて、いったいどういう事?と理解しがたいだろうけれど、
それには理由がある。

なぜなら、ヨーガのパワーとは性エネルギーが転換したものだからだ。性で力を浪費すると、ヨーガが機能しなくなる。ガソリン切れの車に乗っても、どこにも進まないのと同じだ。

でも、性欲を封印することは通常、不可能だ。無理やり我慢すると、かならず破綻する。それほど性力とは大きな力だ。

だから、ヨーガにはプラーナヤーマがある。(仏教はイメージを使った瞑想でこれをコントロールしている)プラーナヤーマで、性力をヨーガの力に変換する。これをすると、性欲のムラムラ感がかなり軽減して、禁欲が楽に続く。

プラーナヤーマにも色々なやり方があるけれど、私はかなり適当にやっている。腹式呼吸で、大きく息を吐いて、息を吸ってから苦しくない範囲で、呼吸を止める。息を止めているときは肛門を締めて、体に蓋をして呼吸を密封するような感じでおこなう。

吐く呼吸と吸う呼吸、止息の割合を厳密にコントロールするような専門的なやり方もあるのだろうけど、要するに「ゆっくりと息を吐いて、ゆっくりと息を吸って、苦しくない範囲で息を止める」ということだ。

これだけでも、かなり無駄な性欲に突き動かされることは減るけれど、まだ片手落ちだ。もう少しヨーガ修行者のライフスタイルを取り入れる必要がある。

食生活でいえば、肉食しないということ。ヨーガでは、肉食は禁止だ。非暴力という教えを守るために行うものだけど、動物を傷つけないという倫理的な側面以外にも、食べない理由がある。肉を食べると、性欲は無駄に煽られるからだ。

近代の偉大な禁欲者といえば、インドを独立に導いたマハトマ・ガンジーだけど、彼が禁欲を貫くために苦闘し研究する過程で、肉食が性欲を貪欲にし、菜食にはそれらを沈静化する働きがあることを再発見している。

食べ物がメンタルに与える影響は大きい。まったく肉食をゼロにするのが難しい人は、週に1回でもいいから肉を食べない日を作ってみてはどうだろうか?

次に、心に食べさせるものをしっかりと管理する。コンビニに入ると、裸同然の女性が表紙の雑誌がたくさん並んでいるけれど、ああいうものを見ないようにする。小さな性的な刺激でも、蓄積されると大きな炎になって、体が焼ける。性欲を煽るものをみながら、禁欲するのは無理だ。心は大きな力をもっていて、それが汚染されると行動も乗っ取られる。

食事(肉を食べない)心に入れるもの(淫らなものを見ない)とプラーナヤーマ(呼吸法)、この3つで性欲はかなりエネルギーに転換できる。ヨーガでも、仕事でも、筋トレでも、勉強でも、あらゆることに転換した性のエネルギーを使える。


Category: アシュタンガヨガ

- 2018年9月8日

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