ノアの方舟はいつ作った?

私が大好きな映画「スパイゲーム」
ロバート・レッドフォードとブラッド・ピット共演で、
老スパイ、ネイサンミュアーが頭脳戦を駆使して、中国で捕虜になった昔の教え子の
ビジュップを救出するという傑作だ。

そこでのワンシーン。

ネイサンミュアー(老スパイ)が
秘書にビショップ(捕虜となった教え子)の資料をすべて
シュレッダーにかけて破棄するように命じる。

政府は、ビショップの過去の経歴を調べ、難癖をつけて
見捨てるという決断をすると見越しての命令だった。

しかし、楽観主義の秘書はネイサンに言う。
「考え過ぎでは?」
ネイサンが答える。
「ノアはいつ方舟を作った?
それは洪水がおこる前だ。

洪水がおこってからじゃない」
そして、数時間後、ネイサンの予感が的中して
部屋を空けた隙に徹底的にオフィスが家探しされ、
「ノアの方舟」は功を奏したのだった。

これを人生に還元するならば、
人生が好調な時こそ、洪水のときを思い方舟を作るといい。
洪水になってからでは遅い。
そして、必ず人生には悲劇が襲ってくる。

いま、私の人生は好調だ。
大きな心配事が1つもない。
これはかなり珍しい。
でも、そんな晴天が死ぬまで続くと思うな。
必ず嵐はやってくる。
それは病かもしれないし、失業かもしれない、
離別かもしれない。
生きるということは、望まない変化の連続だ。

だからといって、戦々恐々と恐れと不安で生きるのではない。
好調でも浮かれてフワフワと生きず、
いろいろ鍛えておけと自らに命じる。

私にとってノアの方舟はなんだろう。

健康を過信せずに節制する。体を鍛える。

瞑想をして、心を軽くしておく。

いざという時に備えて貯金する。

自分で出来ることを増やす(家庭菜園の実力をもっとつける)

パッと思いつくことは少ないけれど、節制と鍛錬という
言葉に集約できると思う。

私が好きな言葉で締めくくろう。
ウィリアム・ジェームズの言葉で、

<毎日とくに必要のないところで集中力を養い、
意志を鍛え、禁欲を実行している人は、
何かが起こったときには、何もかもが
揺れ動いて根性のない人々が
籾殻のように吹き飛ばされても、
塔のように堂々と立っていられるだろう>

今は籾殻にゴミがついたような私だけど、
塔のようになりたい。

あと菜根譚にも、こういう言葉がある。

<逆境の中にいるときは、身の周りのすべてのことが鍼(はり)や薬になり、
それで節操を砥ぎ、行動をみがいているのであるが、本人はそれに気づいていない。
これに対して順境にあるときは、目の前のすべてのことが、
実は刃や戈となって、それで肉を溶かし骨を削っているのであるが、
本人はそれを知らずにいる>

順境はヤバイのだ。
逆境よりも、成功体験が人を滅ぼす率のほうが
高いのではないかとさえ思う。


Category: 生活を変える方法

- 2016年11月25日

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