キープカームにみる日常のヨガ

 

先日うけた蔵岡インストラクターのシステマのWSは、
かなりの影響を私にもたらした。

日常生活をヨガにする

というのは前々からの課題だった。
しかし、これ、といった具体性が欠けていた。
あきらかに「瞑想中とそれ以外の時間」という
断絶があった。
ときおり正気に戻るように呼吸を意識してみたり、
するけど、日常生活に没頭している感じが強かった。

しかし、システマがその架け橋となることに気づいた。
システマには具体性がある。

ここからは私の勝手な理解だけど、
システマの目的は「キープカーム(穏やかさを維持する)」
尽きるのだ。
それがハードな状況での生存を可能にする。

どうすれば「キープカーム」できるだろうか?
システマではそれも具体的だ。
4つの原則を守ればいいのだ。

1,リラックス

2、姿勢
3,呼吸
4、動き続けること

つまり四原則の1つでも破られると、
「キープカーム」は実現しない。
4原則はヨガでも重視される項目だ。

この中の「動き続けること」という原則は静かに座るヨガとそぐわないと
思われる方もいると思う。
しかし、これは肉体的なことよりもメンタルのことを指している。
たとえば「1つの考え方に囚われて現実が見えなくなる」
これは「動き続けること」に原則から外れた在り方だ。
システマで言えば、相手がナイフを出してきて、それの囚われると
体は恐怖でフリーズして動かなくなる。
あとは、
「自分のエゴを通そうとして固執する」
「記憶に囚われる、希望に囚われて、今を生きていない」
すべて「動き続けること」の原則から外れた心理状態だ。
なにかに執着して、自由さを失った心の状態だ。

システマに出会って、
生活をヨガにする、ということは
つまりこの4原則を守って生きるということだ、と気づいた。

いままで私が「日常生活をヨガ」に出来なかった理由は、
チエックリスト(基準)が無かったことに原因がある。
自分の状況を4原則に照らし合わせて、チェックすることが
できるというのは大きな具体性だ。
原則から外れた部分を取り戻せば「キープカーム」だ。

4原則がどう日常に生きるのか、その具体例。

車を走らせていると、後ろから猛烈な速度で迫ってくる車がある。
車間距離もあまりとらないドライバーだ。
無意識に四原則が崩れる。
私の肩には力が入り、(リラックスが崩れ)
姿勢が歪み、(姿勢が崩れ)
呼吸が浅くなる。(呼吸が弱まる)
そして、心の中には「なんてマナーの悪い奴なんだ」という
思いが湧きだしてきて、意識を虜にする。
心が怒りに囚われる(動き続けるが崩れる)

それに気づいたら、肩の力を抜き、姿勢を調整して、
呼吸をすこし強めにして、適正値に戻す。
そして、意識をスピードメーターと前方に向け、
あくまでも適切な速度と安全運転を心がける。
これでリカバリーできる。
キープカームだ。

仕事で苦手に人に会う時も、
たちまち4原則が微妙に狂いだすのがわかる。
そうなると、私がすることは相手に対応することよりも、
4原則を正して「キープカーム」の
状態にあることだ。
「キープカーム」の状態は、自分の最善のパフォーマンスが
発揮できる状態なので、自分の状態が崩れたまま
苦手な相手に対応するよりもずっといい結果がでる。

日常生活で4原則を意識すると、
生活がシステマの練習になり、ヨガの練習にもなる。
これは大きな発見だ。
地方に住む私は武術的なシステマの練習ができる環境には無いかも
しれないけど、心のシステマは練習し放題だ。

4原則はロシア武術システマの枠を超えて普遍的だ。
4原則を破りつつ「穏やかであること」はできない。

体に緊張でガチガチに力が入って、穏やかであるは無理だ。

姿勢が崩れると弛緩したり怠惰にはなれるかもしれないけど、
穏やかであるは無理だ。


恐怖で呼吸が止まり、欲望で荒々しい呼吸の時に、穏やかであるは無理だ。


1つの考えにしがみつき、頑なな心では穏やかであるのは無理だ。

全部あたりまえだけど、これを発見して原則として
まとめたミカエル師はどえらい人だと思う。

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Category: 呼吸, 生活を変える方法, 瞑想, 読書

- 2015年8月14日

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