「獅子吼」ヴィッパサナー瞑想2010京都6日目

がっかりだ。
6日目のヴィッパサナー瞑想の指示は、昨日の感覚を逆のルートで行くというもの。
なんだ、、今日も心を見ないのか?
また感覚か、、、、ヴェーダナー(感受)ヴェーダナー(感受)
ヴェーダナー(感受)ヴェーダナー(感受)、、、
もううんざりだ。

私はグレていた。
疲労もある。集中力も切れた。
そして、心の中に渦巻く疑念。

その疑念の元は、

「おいおい、ただ感覚だけみていくよりも、
テーラワーダ仏教みたいに、今の心や体の状態を言葉にしていく
やり方がいいんじゃないのか?」

という他のやり方を浅くだけ知っているという
半可通な態度にありました。

こんな風に感覚を感じて座るなんて無駄だよ。
私は、こっそく腹式呼吸の練習をしたり、
気功の意念を使ったり、
でも、意味不明でもヴィッパサナー瞑想をしようと、
正気に戻って練習したり、またグレたり。
とりあえず、どうやってこの無駄な瞑想時間を
やりすごそうかと考えていました。

そんな風にグレて1日の大半をすごし、
そして、夕方。

ここらへんの記憶が曖昧なのですが、

それまでの疑念が迷いが、怯えるような大音量で、
私の中の理解がライオンのように吠えたのです。

わかった!

暗闇に太陽がでるように、ヴェーダナー(感受)に対する理解が
目の前を明るくしました。

正気にもどって
ヴィッパサナー瞑想に戻る。

しばらくすると、蛇のトラウマが頭に浮かんできた。
恐怖という感情!
それにともなって、体のヴェーダナー(感受)が変化する

恐怖という思いがあって、体の感覚が生理的に反応する?

違う!恐怖という概念が先にあるんじゃない!
恐怖というパターンにあてはまるヴェーダナー(感受)の
現れ方があるんだ。

顔の感覚がひきつる、右肩がこわばる、呼吸が浅くなる、
昨日の私は「早く心が見たい」といっていた。
こんなヴェーダナー(感受)なんかじゃなく心が。
違う!ヴェーダナー(感受)!これこそ恐怖だ、心だ、
ありありと体全体で感じている恐怖。
蛇を思い出して変化したヴェーダナー(感受)のパターンに、
恐怖と名付けているだけ。

体全体が蛇のイメージで、微細な変化をしている、
意識はこの体のパターンに恐怖と名付けて認識した。

体のこわばりが消えない。
ゴエンカ先生が口をすっぱくしていっていた言葉。
平常心。

ただひたすらヴェーダナー(感受)を眺める。
この感覚から逃れたいと思ったり、
この感覚を感じたくないと思わない。
欲望も嫌悪も付け加えないようにして、
ただありのままの現実を眺める。

蛇の恐怖を解決したいとも思わない。
ただ眺める。
すべては無常、変化していく。
この恐怖も過ぎ去るもの。

体のこわばりを丹念に丹念に観察して、
ありありと恐怖を感じる。
ひとつのこさず恐怖を味わう。

そうしていくと、

ふっ

と恐怖のパターンのヴェーダナー(感受)が消えた。

「あれ?」

いったいどこに消えたんだ?
体のこわばりが無い。

ためしに
蛇を想像してみる。

無い、、、、!

いままでありありと感じていた恐怖が
すっかりぬぐい去られている。

そこにあるのは、蛇の映像だけ。
ただの記憶。
そこに付着していた「恐怖」という感情が消えている。

鎌首をもたげて、周りを確認しながら林に消えていった蛇を
思い返してみると、

あいつも怖かったんだよな、私が散歩コースをはずれて不用意に
どんどん近づいていくから、、、、、そういえばちゃんと威嚇してくれた。警告してくれたから、飛びずさって怪我しなかったんだよなぁ、、、悪いことしたなぁ。

と親近感すら感じる。
邪悪な蛇というイメージから、同じ生き物としての
共感すら感じるようにイメージが変化。

凄い!凄いよコレ!

おれはやっとヴィッパサナー瞑想を理解した!
これだ!きっとこれだ!

興奮さめらやぬまま、一日の最後にサチコ先生に
私が掴んだヴィッパサナー瞑想の見解が
あっているかどうかをたずねると、
「そうです」とのこと。

この日はヴィッパサナー瞑想の意味がわかった嬉しさから
興奮して眠りにつくのが難しかった。

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Category: ヴィパッサナー瞑想リトリート体験記, 瞑想

- 2015年2月16日

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