親があなたに望んでいる一番のこと

親になってもう4年。
親(私)が本当に望んでいることはどの世代の親にも
共通している。

親があなたに望んでいる一番のことは、
じつは当人の親自身も気づいていないことが
多いと思う。
私は最近、それに気づいたので書いてみる。

親が本当に望んでいること。
それは
親よりも長く生きることだ。

これ以上の親孝行はない。
私がこれに気づいたのは、去年に子供同然のラブラドール犬を
失ってからだ。
初夏の雨が降る日になると、フラッシュバックするように
「あの日」が蘇ってくる。
1年たっても、あの日に開いた穴はまだ塞がらないらしい。

 

 

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もしもこれが愛犬ではなく、もっと交流のある自分の子供
だとしたらと考えると恐ろしい
正常な親子関係があるならば、親の人生に一番の大打撃を
与える鉄槌は子供の死だ。

私はなにも成し遂げていない人間だ。
親を旅行につれていく金銭的余裕もない。
ただ生きているだけで、誇れるようなものは無い。
だけど、負け惜しみではなくて、そんな私でも
ただ生きていることが親を安心させる。

たとえば、親が死んだとき
「何も親孝行ができなかった、、、」と後悔する人がいたら、
私は違うのだと言いたい。
「親よりも長く生きる」という一番の親孝行をしたではないか。
それを忘れないで欲しい。
あなたは親の心に底なしの穴が開くような悲しみを
与えなかった。
あなたの親は子供の死という体験をせずに死んだ。
それはどんな親孝行にも勝る。

そうは言っても死はコントロールできない。
「親より長く生きるってどうやって?」と
いうHowtoはない。
健康に気をつけて生きるくらいしかできない。

でももしも「おれは何も成し遂げていない、親になにもできない」という
挫折感を抱える人がいたら大丈夫だと言いたい。
究極的には親にとって子供は生きているだけでいいのだ。

この記事を書いていて思い出した本。
「いのちは自分のものではない」
子供に自死された親の慟哭に衝撃をうけて、
即買してしまった本。
この本を買った当時は「失う」という体験がほとんどなかった。
けど、去年愛犬を失って、それが朧げにわかるようになった。

高史明(コサミョン)の言葉―いのちは自分のものではない (「生きる言葉」シリーズ)

<私は、突然たった一人の子に世を去られたのでした。
しかも、自死だった。

気がつくと、私たちは子の御棺を真ん中にして、
わが家の一室で川の字になっていました。
いつどのようにして、警察から帰ったのか。
ほとんど意識していません。

川の字になった私たちの頭上には、深い真夜中の黒闇が広がっていました。
その闇の向こう側に、母親の引き絞るような泣き声が旋回しています。
まるで御棺に絡みつく旋風のような泣き声です

その時、不意に暗闇の彼方から、低い声が聞こえてきたのでした。

じねんに生きるなら、もっとも身近な者を助けることができる
じねんに
自然に生きるなら>

 


Category: 家族, 生活を変える方法

- 2015年5月18日

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