腹式呼吸のメリット

呼吸はいままでたくさん試行錯誤を繰り返している。
最初に習ったアシュタンガヨガでは、
バンダといってお腹を凹ませたまま動く。
胸式呼吸だ。

しかし、この呼吸がおかしいと異を唱えた人がいる。
いまは俗世になき富山典之先生(のちに出家されました)
富山先生はとても知性的で実践的かつ革新的な理想的なヨガ教師で、
この御方のWSで完全呼吸をマスターしたのでした。
(富山先生が「うん、できてる」と言ってくれたので)
ちなみに富山先生はその当時からヴィパッサナー瞑想のことを
言及されていて、のちにそれが極まってタイで出家したのでした。
「ヨガ」「ヴィパッサナー瞑想」
いま思えば、富山先生の影響モロに受けているんだなぁ、私。
もしも還俗されて帰国された暁には、また教えを受けたい。

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富山先生とアシスタントのニアさんと私。
「懐かしい、、、富山先生、、日本に帰ってきて!」

その富山先生から習った完全呼吸を
長い間していた。
それはそれで肺を完全に使って呼吸できるから
いいことなのですが、
日常生活でも運動中でも瞑想中でも、
幅広く使える呼吸か?といえばちょっと特殊すぎるし、
複雑すぎる。

そこで立ち返ったのが腹式呼吸

富山先生の完全呼吸も、基礎として腹式呼吸がある。
そこに帰った。

眠っている赤ん坊はお腹がぺこぺこ膨らんで完全に腹式呼吸。
筋肉が無い赤ん坊でもできることは、最高に効率がいいということだ。
そして、私は日常的に仕事で走っているが、その最中でも腹式呼吸はできる。
ウルトラマラソンを走るスコットジュレクも腹式呼吸を推奨している。
そして、瞑想
自然と呼吸がスローになりわずかになっていく「体の究極の省エネモード」
瞑想の最中で、最後に残る呼吸も腹式呼吸だ。
イチオシの呼吸法なのだ。

さて、腹式呼吸のやり方は簡単だ。

1,まずは姿勢を正す。(アーサナ)

背骨を伸ばすんだけど、その時にどこで自然な呼吸が起こるのか?
ということをチエックして姿勢を調整する。
よくある間違いは「軍人のように胸を張るいい姿勢」をすることだ。
こうすると確実に自然な呼吸が胸にあがって、胸で呼吸をしている感覚になる。
腰は反って固まり、肩はあがり、体は緊張状態になる。
バツである。
そうじゃなくて意識しなくても自然とお腹で呼吸している姿勢だ。
呼吸がお腹に自然に落ちる姿勢。
腰をゆるめて、胸の緊張を抜いて、体の表面の力を抜いて背骨だけ
まっすぐに維持する、という感覚だ。

ヨーガスートラに書かれている
アサナ(姿勢)の次にプラーナーヤーマ(呼吸を使った気のコントロール)という
意味はこういうことだ。
姿勢が整えられていないと、そもそも呼吸法はできない。
呼吸をするとき呼吸だけにフォーカスするのではなく、
姿勢も見る必要がある。

2、息を吐く

おへその下の下腹を柔らかく引っこめながらゆっくりと息を吐く
意識して、しっかりと吐ききる。
呼吸に陰と陽があるとすれば、吐くことは努力して行う陽の部分だ。
体が緊張しない範囲で、ゆるやかにしっかりと吐ききる。

3、息を吸う

息を吐く時は、力を抜いて息が体に入ってくるままに
任せる。
姿勢を整えたまま、自然にまかせよう。
腹式の姿勢なら自然とお腹が膨らむ。
そして最後に胸がかすかに動く程度。
この時、やりがちな間違いは「完全に吸おう!」と
がんばることである。
欲張りすぎるのはよくない。
無理に大きく吸おうとすると、体は緊張してしまう。
それに、無理して最後まで吸おうとすることは
効率が悪い。

普段は胸で呼吸をしていたり、浅い呼吸しかしていないことを
考えれば、お腹で呼吸をしている時点ですでに深い呼吸なのだ。
リラックスを捨ててまで無理に完全に吸う必要はない。

こうやって吐く、吸うを繰り返す。

この「しっかり吐いて、自然に無理なく吸う腹式呼吸」を
していたら、日常生活の呼吸も深くなってきたのか、
ちょっと変わった現象がおきるようになった。

それは次の「腹式呼吸と熱」で記事で書くことにしたい。

 

th_DSC08839腹式呼吸と「熱」

Category: エッセンシャルヨガ, 体を変える

- 2015年2月9日

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