腹式呼吸と「熱」とヨガ

日常生活のなかで「いま自然な呼吸がどこに起こっているか?」
と体を感じる。
胸で呼吸を感じるのなら、姿勢を整えてお腹で自然に呼吸する。
腹式呼吸の要点は姿勢である。

自然にお腹で呼吸をしている姿勢をとるのだ。
呼吸法をしている時間なんて一日のうち限られているけど、
日常の呼吸を変えていくメリットは大きい。
この腹式呼吸は、筋力のない赤ん坊の呼吸の仕方だ。
つまり、最高に効率のいいやり方なのだ。

そうして、日常生活を腹式呼吸に変えていくうちに
座って本格的に呼吸法をする時に、変化を感じるようになった。
今は冬だから特に感じやすいのだけど、
お腹に「熱」が生まれる。
ホッカイロを貼ったような感覚だ。

これが仙道だったら「丹田に気が発生している」
この生理現象を名づけるんだろう。
それもありえる。
でも、私は単純に
「ブラッドシフトが起きている」と思った。

ブラッドシフトとは主に、息を止めて深い海に潜るフリーダイビングで起こる現象だ。
手足の血流が減って肺や脳などの重要な器官に血液が集中する。
フリーダイバーの篠宮龍三さんはインタビューで、
ブラッドシフトがおこる感覚を
「頭や肺が熱くなる」と言っていた。
つまり血液が集まる=熱の感覚なのだ。

人の体は、呼吸を止めて深海にいかなくてもブラッドシフトが
起きているんじゃなかろうか?

たとえば、恥ずかしいことがあると赤面する。
顔がカーッと熱くなって、真っ赤になる。(血が集まる)
これは血液が一気に顔がブラッドシフトする現象だ。

子供は眠くなると手足が暖かくなる。
活発なときは冷たくなる。
これもブラッドシフトだ。
血液の配置を頻繁に変えているのだ。

ということは、
お腹に熱の感覚が生まれるということはお腹に血液が集まっているということだ。
お腹には腸がある。
そして、腸は「第二の脳」と呼ばれる重要な器官で、
脳内物質であるセロトニンを生産する工場でもある。
血液を作る工場でもある、という説もある。
ここに血液が集まることは、腸の能力が高まるということだ。
体的にもメリットが大きい。

感情も変わっていく。
人はよく「落ち着きなさい」というけれど、
どこに落ち着くのか?
それはお腹に血液を落とすという意味だ。(お腹で呼吸する)
腹の据わった人だ、とか
腹が立たない、とかいう言葉もある。

で、腹が立つとどうなるのか?
「頭にくる」である。
「血が頭に昇っているんじゃない?
頭を冷やしなさいよ」という言葉もある。

どうやって頭を冷やすのか?
それは血液イコール熱ならば、
集まっていた血液をお腹に落とすことだ。

体を腹式呼吸にするメリットは大きい。
健康になり、心も安定する。

 

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わが家で一番腹式呼吸な人

前編はこちら

th_20080618083105腹式呼吸のメリット

Category: エッセンシャルヨガ, 呼吸

- 2015年2月13日

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