アシュタンガヨガライフ

 

「哲学」は大切。
だけど、それだけでは絵に描いた餅だ。
ヨーガの経典であるヨーガスートラにかかれてある
八支則のヨガ(アシュタンガヨガ)も、その概念だけを理解しても
役にはたたない。絵に書いたヨガだ。

考えは具体的な行動にする必要がある。
そうしてはじめてパワーを発揮する。

たとえば「私はアシュタンガヨガをしています」と
言う人でも、ではどういうヤマ(禁戒)
ニヤマ(勧戒)の実践をして生活をしていますか?というと、
うーんと考えこんでしまう人が多いのはではないだろうか。

そこで具体的な行動に落とし込むことで、
アシュタンガヨガの具体化をする必要がある。
ヤマ、ニヤマ、アサナ、プラナヤマなどの階梯があるけれど、
私は自分でその概念を日常的に実践できるものに置き換えている。
というわけで、私が日常的に意識しているアシュタンガヨガを書いてみる。

まずはヤマ(禁止する行動)

私の場合、ここに仏教の五戒を採用している。
ヨーガスートラのヤマも中身はほぼ同じだけれど、
仏教の五戒のほうが私にとって理解しやすいのでこれを採用している。

暴力をふるわない。
嘘をつかない。
盗まない。
不倫をしない。
酒、麻薬類をとらない。

が五戒だ。
これを守ることで、極端な不幸に陥ることを防げる。
お酒を飲んで、不倫をして嘘をついてその場をしのぎ、
盗み、暴力をふるっていたら、行き着く先は魂の孤独か刑務所だ。
そうなればヨガどころではない。

試練は人を鍛えるけれど、五戒を破ることで我が身にふりかかる
自業自得的な試練の苦しみは、しなくてもいい無駄な苦しみで、
そういう無駄な努力をはぶくことで人生は楽になり、
楽になった余力をヨガに向けることができる。

ニヤマ(進んで行うべきこと)

シャウチャ(清浄)

1,手洗い。

2,食べた後に歯を磨く。

3,ネティポットで鼻うがいをする。

4,身の回りの整理整頓、いらないものは処分する。

5,ジャンクフードや加工食品をさけて、体内を汚さない。

6,自然な食べ物をとる

7,ワイドショーのような人の醜聞をネタにするものを避ける。

8,程度の低い情報は見ない、聞かない。

そういえば以前、某ヨガの先生のWSで食事のとり方についての話が
でたとき、インテリの方が
「食事法のどこがアシュタンガヨガに関係あるんですか?」
と質問していた人がいたけれど、それは体を清浄に保つ
シャウチャという概念がすっぽり抜けた質問だと今では思う。
ヨガは総合的な生活法でもある。

この中で私が弱いのが整理整頓と掃除だ。
正直にいうと今まで整理整頓や掃除がヨガの実践であると
はっきり意識したことがなかった。
でも、ヨーガスートラでいうところのアシュタンガヨーガに
極めて近い実践をおこなっている禅寺の掃除のクオリティと徹底ぶりと、
その環境から得られる心の清浄を体感するに、やはりこれも
立派なヨガで、おろそかにしてはいけないことだと反省。
がんばろう。


サントーシャ(足るを知る)

1,自分の持ち物のメンテナンスをする、大切にする。

2,自分の生活で感謝すべき側面をしっかり意識して、
感謝の言葉を人に伝える。
大いなる存在に感謝する。

3,1つ1つおこなう。マルチタスクしない。

4,心を鎮めて内なる平安に意識をむける(瞑想)

なかでも私が怠りがちなのが物のメンテナスだ。
靴を磨く、車のエンジンオイルを変える、物が長持ちする
ように手入れする。
自分の持ち物に感謝を伝える(メンテナンス)もヨガの実践といえる。

やってみると、新しい物を手に入れたときとは違う満足感がある。
物言わぬ道具たちに感謝を使える方法がメンテナンスだと思う。
同じ物を長い間、大切に手入れして使う人の心のなかには
サントーシャ(足るを知る)の精神が生きている。

タパス(鍛錬)

1,肉体鍛錬、私の場合、ケトルベル立禅などで体を鍛えること。

2,体調が悪くても最善を尽くすこと。

3,出来ないことでも努力する。

4,悪い習慣の力に耐えること。

タパスを実践していくと超自然力(シッディ)がつくという。
そういう意味でいうと、肉体を鍛錬しても超能力者にはならないから
厳密にいえばタパスではないのかもしれない。
でも、肉体鍛錬や自分の体調や限界に流されずに最善を尽くそうする努力は、
意志の力を鍛える。
意志の力が強ければ、惰性のような生活を打破して、改善に改善をかさねて
ついには人間の完成に至ることができる可能性がある。
そういう意味では、強靭な意志力は「空に浮き上がる」みたいな超能力を
超える超能力と言えるから、やっぱりこれはタパスなのだ。

タパスの目的は「意志力」を鍛えることにある。
このタパスはかなり出来ていると思うし、好きな実践だ。

スワディヤーヤ(学習)

1,読書、賢明の人の書いた本を読むこと。
ヨーガや仏教の経典や達人の言葉を学習すること。

2,さまざまなことを学習して自分の世界を広げて大きくしていくこと。

現代社会で、しかも自分の周囲にレア中のレア、砂粒の中の黄金のような
歴史上に燦然と輝く賢者がいる確率はほとんどない。
となると、やはりそこは読書に頼るしかない。
仏教の経典、ヨガの経典、あと私の場合、
アーチャンチャー、セネカ、ショーペンハウアー、ヒルティなどの
自分よりも遥かに優れた人たちの考えに触れる時間を持つことを
スワディヤーヤにしている。

イシュワラ・プラニダーナ(大いなる存在に祈る)

1,オームのマントラを唱え、自分を導く大いなる存在に祈る。
2,神社に行く

これはあらゆるヨガの実践のまえに心の中でオームのマントラを
唱えることで、大いなる存在の導きに感謝するという実践をしている。

私はこんな感じで行動化してアシュタンガヨガ(八支則のヨガ)を実践している。
概念を1つ1つの行動にしていくアイデアは人それぞれで、
大切なのはお題目にせずにちゃんと実践していくことだと思う。

ヤマとニヤマの基礎があって、アーサナ、プラナヤマなどの
上位の実践がちゃんとしてくる。

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Category: アシュタンガヨガ

- 2016年10月7日

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