心を鍛えるインターバルトレーニング

 

 

世界的チェスプレイヤーのジョッシュ・ウェイツキンの
書いた「習得への情熱」を読んだ。
なるほど、と心に響いたことがある。
チェスと肉体鍛錬のこと。
チェスのために体を鍛えたそうだ。

知的な頭脳戦というイメージがあるチェスだけど、
チェスプレイヤーの勝負には、心身ともの体力が問われる。
青年時代には、肝心な場面になると足を蹴ってくるダーティなプレイヤーも
いて、そんなさまざまな困難な状態でも平静を保つために有効だったのが
インターバルトレーニングだったそうだ。

インターバルトレーニングは、疲弊と回復を繰り返すトレーニングで、
いろいろなやり方がある。
ジョッショさんは全力でバイクを漕ぎ、心拍数を220くらいにあげて、
限界まで体を追いこみ、それから休息をいれて心拍数140まで
さげるということを繰り返したそうだ。。
息があがり、苦しい中で全力を尽くして体力を振り絞る。
そして、短い休息をとって、また全力を振り絞る。
そうすると、全力の限界値を引き上がり、
短い休息での回復力があがる。
ダメージをうけても、速やかに回復するようになる。
体がそうなると、精神的にもタフになり、
相手のプレッシャーやラフプレーからの影響も
弱まる。
これは理にかなっている。

メンタル的にけっこう繊細だと自認している
私も、タフになるべく、インターバルトレーニングをとりいれることにした。
いろいろ調べるうちに、日本人が開発したタバタプロトコルという
インターバルトレーニングに行き当たった。
なにが決め手かというと、時間の短さだ。
ウォーミングアップに10分くらいかかるけど、
本番のタバタプロトコルにはたった4分しか掛からない。

20秒全力で動いて、10秒休むを1セット。
それを8セットするだけ。
だけ、なんだけど、
これが尋常じゃなくキツい。
終わると激しい息切れで床に倒れこむ勢いで、
ここ数十年にない激しい疲労感に襲われる。
この短くもハードなトレーニングを週に2回ほどするだけで、
長い間有酸素運動をするのと
同じ、もしくはそれ以上の効果があるという
エビデンスがあるトレーニングなのだ。

タバタをやってみて、気づく。
成人してからは、全力で動いて
倒れるほど息切れすることって今までなかった。
全力ダッシュは何年ぶりだろう。
かなり限界よりも下の安全域で運動している自分に気づく。

あまりにも無茶な運動はいけないけど、
ときどき体に刺激を与える意味で、こういうハードなトレーニングも
いいと思う。

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Category: 体を変える, 読書

- 2015年12月8日

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