総合格闘技が実戦的で合気道がただの踊りって本当ですか?






とある総合格闘家が、相手を傷つけずに
制圧する美しい合気道家の熟練者を紹介しつつ、
「これは素晴らしい文化だけど、実戦的じゃないから勘違いしないで」
と語っていた。
実際の相手は激しく抵抗するし、フェイントなども交えてくる、というようなことだった。

その総合格闘技の人は実戦を語ったが、
暗に実戦的なのは総合格闘技であると言っているように
私には思えた。

しかし、である。
本当に総合格闘技が実戦的なのだろうか?
むしろ、私はバカにされていた合気道の「実際的」な力を評価したい。

社会人になったら、格闘技ファンでもないかぎり
実戦を考えるなんてことはまあない。
でも、例外がある。

私は施設警備員なのだ。
警察官のように実際に危ない場面に立ち向かうことは
ないけれど、
「これはもしかしたら危ないのでは、、、、?」と
思うようなことが年に数回ある。
考えざる得ない。

不審者に声をかけなければいけない、ということは、
平和な日本でも普通の社会人よりも、ちょっぴり危険な
目、つまり実戦を経験する可能性があるということだからだ。

そんな私が想定する実戦では、
総合格闘技が使えない。

たとえば窃盗犯がいる。
捕まえようとして殴る。
そうすると私は暴行罪。
相手が怪我をすると傷害罪。
そして失業する。

そもそも現代は、喧嘩などおちおちできない世の中だ。

昭和初期ならば、喧嘩して走って逃げて
おれ喧嘩十段っていう世界があったのかもしれない。

しかし、

日本は法治国家で、そして街にはさまざまな場所に
防犯カメラがある。
スマホで撮影なんて子供でもできる。
証拠が残る。

相手が先に手をだしたからと、総合格闘技の
試合のような戦いをすると、
正当防衛を勝ち取ることは難しい。
ノックアウトしたら過剰防衛。
警察が到着して判定に持ち込まれたら、
両者暴行罪か傷害罪。
そして、それがプライベートな時間だとしても、
会社などに知られたら職を失うかもしれない。
それは、まったく実践的ではない。

社会人にとって、実戦とはかなり制限されるものなのだ。

あの総合格闘家が、人をボコボコにできるのはリングの中と
いう超特殊な環境だからであって、
一歩外に出て、町中でおれはプロの総合格闘家とばかりに
人を殴ろうものなら、よからぬニュースになり即座にリングに立てなくなる。
つまり、あの総合格闘家さんも、法治国家のなかの実戦ではおいそれと
総合格闘技を使えない、という揺るぎない事実がある。

そんな時、合気道のように歩法で攻撃をかわし、
相手をボコボコにせずに制圧できるスキルがある場合は、
練習どおりに技が使えるだろう。
というか、上記の総合格闘家さんも、法治国家の実戦では
相手の攻撃をさばき、かわし、
なんとか怪我をさせないで取り押さえるしかないので、
合気道家のような戦い方になるかもしれないという矛盾が生じる。
つまり、リングを離れた実戦では、総合格闘技は使えない。

合気道は実戦的ではないかもしれない、が、社会人にとって
一番実際的だろう。

相手が怪我をしたとしても、
殴ったりせずに腕をとって制圧しようとしたと証言できるのは
本当に心強い。

総合格闘技が有効かもしれないのは正当防衛など
気にしない、法律などクソくらえの犯罪者だ。
訴えられても、臭い飯を食べても、まったく平気という人に
とっては総合格闘家は有効かも、しれない。

でも、相手がナイフで武装していたり、多人数だったりする
とまた総合格闘技は使えなくなる。

まず相手が2人だと寝技などは使えない。
寝技中にもう一人が、容赦なく蹴ってくるからだ。
私の場合、2人の子供との戦いごっこの最中でも無理だ。

あとはナイフ。
そういえば、ナイフといえば以前、合気道家が
技をかける際に、いきなり相手の手首を掴んでいくところを
みた格闘家が、

「そんないきなり手首を掴むなんてことあります?」

とせせら笑っていたけれど、
相手がナイフを持っていたら、その笑った格闘家も
必死の形相で、ナイフを持っている手の手首を掴みにいくだろう。

相手の武器を封じて、その上で投げたり、関節を決めたりできる
合気道的な戦い方が、一番リスクが少ないのだ。

いくら実力差があったとしても、打撃戦はランダムな要素がでてくるし、
ましてやガード不能のナイフの攻撃を放置したまま、
先に打撃でノックアウトしてやろうというのは、相当にリスクが高いのだ。

だとしたら、手首を掴んだところからの攻撃を普段から修練している
合気道家が一番実際的ではないか?
攻撃の制限や約束があるとはいえ、多人数相手の演武の練習を
している合気道家が一番実際的ではないか?

たしかに合気道は子供でも老人でもできる武道だ。
馴れ合いの稽古で形骸化しているかもしれない。
それでも、実践的かつ実戦的な武道であることには変わりないと
私は思う。

ちなみに、今日は熱く合気道を語った私は、まったく合気道してないのだ。
過去にやっていたのは中国武術。
実際に相手に技が決まれば過剰防衛になる凶暴なタイプの流派だ。

なんか合気道的にできないか、と考えると
「健康体操かよ!」と格闘家に笑われそうな
太極拳みたいになるのではないかと思う。








Category: 体のメンテナンス

- 2020年12月8日

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