ヨガのよくわからないポーズの世界

 

ポーズをとるヨガといえばハタヨガだ。
だけど、数千年前のヨーガスートラという瞑想をメインにすえたヨガの
経典には、アーサナ(ポーズ)といえば
座り方のことだった。

ハタヨガが起こって、さまざまなポーズをとるように
なった。
現在のポーズをたくさんするヨガの起源だ。
だから今のヨガはヨーガスートラよりも、
ハタ・ヨーガ・プラディーピカーや、
ゲーランダ・サンヒターなどの中世のハタヨガ経典の
ほうを研究するほうがいいはずなんだけど、
「ヨーガスートラ」を参照する人が多い。
やっぱりヨーガスートラのほうがイメージがいいからなんだろうか、、、

ハタヨガの経典を読んでみると、
意外や意外、座りのポーズがメインで
マユラーサナや、魚のポーズや弓のポーズ、立木のポーズ、
コブラのポーズ、ねじりのポーズなどくらいしか
ヨガのポーズらしいポーズはない。

アーサナの王とか王女とか言われている、
頭立ちも肩立ちもない。
ダウンドックもなければ、現在おこなわれている
アクロバットなポーズはぜんぜんない。

だから、ヨガはあらためて言うのもアレなんだけど、
かなりアバウトにいろいろと雑多なものが混在して、
変化してきたものなのだ。

西洋からの体操も混じっていれば、
インド武術や、クシャトリアの肉体鍛錬なども
混じっている。
インドらしいというかなんというか、
ヨガの伝統はけっこういい加減なものなのだ。

現在、デモンストレーションされている
軟体人間ショーのようなポーズは、
ハタヨガをマジで人生をかけてやっていた達人が
多数いて、経典としても成立した黄金期に
には無かった。
だから本質的なものではないと
断言してもいい。

必要の無いもの、というと冷たい言い方かもしれない。
「体を使った遊び」というのが適切かもしれない。
遊びだから出来ても出来なくてもいい。
楽しんでやる分にもかまわないけど、
深刻な顔で「できない」と悩む価値は無いものだ。

逆にだれにでも出来る簡単なポーズに
意識を集中してとりくむ深めることのほうが本質的。
世の中、やらなくてもいいことってけっこうあるのだ。

ハタ・ヨーガ・プラディーピカーはこの本が
一番わかりやすい。
佐保田先生の本もあるけど、こっちのほうが詳しい。

 

ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 前編 (YOGA BOOKS)
成瀬貴良
アンダーザライト (2015-04-24)
売り上げランキング: 35,588

ヨガのポーズ練習の起源のややこしさを
学びたいならこの一冊。

 

ヨガ・ボディ: ポーズ練習の起源
マーク・シングルトン
大隅書店
売り上げランキング: 80,858

Category: アシュタンガヨガ, ポーズ練習の起源

- 2016年2月27日

Comments

コメントを残す

Your email address will not be published / Required fields are marked *