ヨガをすると痩せにくくなる?

この間、眺めたフリーペーパーにはヨガの広告がでていた。
ほとんどがホットヨガのものだけど、謳い文句で
「基礎代謝があがってダイエット効果も!」という言葉があった。

基礎代謝ってのは車にたとえると「燃費」のこと。
基礎代謝が高い人は大型のアメ車のようにガソリンが減るイメージ。
今の時代、車で燃費が悪いのはマズいけど、
体にかんしては「いかに無駄にカロリーを消費するか」が求められているようだ。
でも実はヨガをすると痩せにくい体になる。(私は痩せてるけど、、、)
実験結果でも、ヨガをすると基礎代謝が低下するデータがある。(注1)

なぜこうなるのか、というとリラックスするからだろう。
基礎代謝の40%は筋肉で消費される。
基礎代謝が高い、とは筋肉が常に緊張してエネルギーを使っていることだ。
つねに「戦いのスイッチ」が入っている状態。

人間はバトルモード(交感神経優位)になると、戦いに備えて体は緊張状態になる。
出血しにくいように血管は縮み、痛みを感じにくくなって力が増す。
筋肉はいつでも闘争&逃亡できるようにスタイバイオン。
基礎代謝は高い。
けど、このモードは闘争&逃亡のためのバトルモード。
疲れるのだ。
緊張をしいられると精神的に疲れるのもあるけれど、
肉体的にも筋肉が緊張状態で疲れる。
体を回復させる業務なんかは後回しになる。
いかに<闘争&逃亡>にエネルギーを集中できるかが、生存の鍵だからだ。

問題なのは、肉体的に戦うことも逃げることも出来ない状態のストレスがとても
多いことだ。
いくら上司をソリが合わないからといって、
声をかけられそうになったら全力ダッシュで逃げまくり、
隙をみては襲いかかっていたら社会人としてやっていけない。
(でも、その瞬間のストレスはゼロになるかも)

肉体は「闘争&逃亡」スタイバイオーケーだけど、
それが実行できない。
こんなことが続くと体は日常的にストレス状態になる。
肩こり腰痛なんかは、慢性的なストレスが引き起こす症状だ。
ストレスから腰痛になる。
ストレスで筋肉が緊張し続けて、だんだんと疲労が蓄積して痛みになる。
こういう状態は筋肉がつねに緊張しているから、基礎代謝は高いだけうけど、
生きづらい。

そこでヨガの出番だ。
ヨガをすると、心身ともにリラックスする。
体のバランスが整えられる。
筋肉も鎮まる。
省エネで動けるようになるから基礎代謝は下がる。
体は副交感神経モード(回復モード)に入りやすくなるので、
心も落ち着いてくる。
だから、基礎代謝は低下する。
つまりは痩せにくい体になる。

で、何故ヨガをしている人は痩せた人が多いのか、
あるいはヨガで痩せる人がいるのか?なんだけど、
それは食べる量が減るからだと思う。

ここらへんはよくわかっていないんだけど、
カロリーの消費が減って、それが痩せる原因でないならあとは
「食べる」こと以外に考えられない。

私自身の経験からもそうだと思う。
ヨガをすると自制心が強くなる。
コーヒーをやめよう、と思ってすぐ止めれたり、
お酒をやめよう、と思ってすぐ止めれたりする。
どうしてやめれるのか、理由はわからない。
やめれるからやめれるのだ。
だけど、以前はこんなに簡単じゃなかった。
嗜好品がやめられるのなら、
食事の量を適正にとることも簡単だ。

もしもヨガをはじめる前に「食べ過ぎる」傾向が私にあったら、
きっと治っていただろう。
以前にも書いたけれど「運動=痩せる」ではない。
むしろ運動で痩せない、という感もある。

どちらにしても、ヨガをして「闘争&逃亡」の状態が強まることはない。
リラックスと回復。
運動でダイエットするなら筋肉トレーニングと有酸素運動がいいかもしれない。

 

 

 

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東洋的な理想体型はこういう体,らしい。

 

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Category: エッセンシャルヨガ, 体を変える, 読書

- 2015年3月4日

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