システマ再び

 

人の縁とはわからないものだ。
4年前、とある道場に顔をだした時に会った青年がいた。
武術的な繊細な動きというよりか、筋肉質で力が強い青年で、
夢は海外で武道をすること、と語っていたことを覚えている。
あれから4年。
すっかり忘れた頃にメールがあった。
<ロシア武術のシステマのワークショップをするので来ませんか?>というお誘い。
主催者の写真をみると、あの青年に似ている。
そっくりさん?まさか、まさかだよね?
そのまさかだった。
青年はあれから本当に海を渡り、ロシア武術システマのインストラクターと

して金沢に一時帰郷してきたのだ。
藏岡 良宜さん。
有限実行の凄い人。

システマは、私のなかでは「ヨガ武術」という
イメージが強い。
あらゆる武術の中で、一番ヨガに近い武術が
これであることは断言できる。
システマで重視されることは4つしかない。

「姿勢」「リラックス」「呼吸」「動き続けること」

武術だけど型もなく、名前のついた技もない。
「破壊を否定」し、「常に穏やかであること」が
求められる。
目標は相手を倒し勝つことではなく、
その状況下からの生還(サバイブ)

一時期、システマの研究にハマっていた私は
金沢で同好会の副主催者として活動してことも
あった。
でも、いろいろな理由でうまくいかなくなり、
会は解散。
システマとの縁もこれで切れた、、と思った。
あれから4年。
また自分の前にシステマがやってきた。

人生は予測不可能なブラックスワンに左右される。
システマをしていたときの出会いが、またこうして
繋がることもある。

4年ぶりに会った蔵岡さんは
見違えるようになっていた。
密度の濃い海外修行だったんだろう。
以前の力任せのような動きは消えて、
バランスがとれてしなやかなで繊細な武術的な
動きの持ち主になっていた。
システママスターからインストラクターとして
認められたのだから、あたりまえといえばあたりまえだけど、
使用前使用後を知っているだけに、
「おお、マジか、、、」と一人で感動。
凄い人だ。

ワークショップは「ストライク」(打撃)が
テーマだった。
ひさしぶりのシステマだったけど、違和感は全くなし。
普段しているヨガは「動き続ける」という原則はないものの、
他の原則である「リラックス」「姿勢」「呼吸」は
普段からつねに意識しているから親和性は高い。

いろいろ説明していただいたけど、
中でも私の中で一番響いたのが、
手を掴まれるドリル。

人間、なにげなしに手を掴まれるだけで反射的に緊張して
体を固める。

このドリルでは手は掴まれるままにしておく。
相手が動かないのなら、こちらも無駄に動かない。
そして、相手が腕を引くのならそのまま引かれる。
引かれまい踏ん張ってと抵抗しない。
だけど、引かれるままにするんだけど、
自分の構造は崩さない。
つまり「姿勢」「リラックス」「呼吸」は維持し続ける。
そうすると、相手の引く力を利用して相手を崩すことができたり、
がんばって踏ん張るよりも自由に動くことができる。

「アグレッシブに抵抗して、自分の意志を相手に押しつけない」
だけど「体を完全に弛緩させて相手の言いなりになるわけでもない」
芯をもって自らの内面の「穏やかさ」を保ったまま状況の流れにのる。
これは生き方にも通じる。
リアルな体で学んだ思想は、空理空論で終わらない。
私にはシステマは体を使って学ぶ哲学に思えた。
やっぱりシステマいいね。
蔵岡さんのお陰で、いままで理解不能だったシステマの
一端が垣間見れた。
あとから蔵岡さんに確認したら、システマの武術としての
部分は3割ほど?(うろ覚えですいませんが少ない比率だったはず)
で、あとはメンタルの部分になるとのこと。
深い武術なのだ。
いろいろ目から鱗でした。

 

 

 

8805-1_Systema_Contents


Category: 体を変える, 個人的記録

- 2015年8月10日

コメントを残す

Your email address will not be published / Required fields are marked *