不遇のときの生きる指針

人生はアップダウンがある。
順境と逆境が繰り返される。

たとえばバブル期で世間がイケイケだった頃は、
わりかし人生好調だった人も多いだろうけど、
あんまり明るいニュースのないご時世では、
不遇な日陰を歩く気分の人も多いんではなかろうか。

私もそういう気分になるときがある。
自分の恵まれている側面が見えず、
ただ今の不満な部分に意識がいって
気分が落ち込みがち。

心と体を観察していると、暗い音楽ばかり
集めたベスト集のようにどんよりしている。
瞑想を志すものとして、そういう気分や心の声を
しっかりと受け入れて、なおかつ同一化しないけれど、
だれかに励ましてもらいかかったりする。
心と体が明るくなる曲が欲しい。

そんなときに読むとスッと気楽になるのは、
「老子」「荘子」「菜根譚」
いわゆる中国古典の中の「The負け犬の反撃集」だ。
著者はいまでいうところの「勝ち組」の
人ではなく「負け組」の人たちだ。

しかし、ただの負け組ではない。
それでも人として大切なものを失わず、
「世間的な勝ち組」よりももっと大きな偉大さをもって
生きた先人だ。

読むほどに身にしみるし、目が覚める。

不遇も悪いものではない。
「人としていかに生きるべきか」なんて好調なときは
絶対に考えない。

私が人生を振り返って、一番のターニングポイントに
なった事があるとすれば、それは
「もう人生終わった、、、、」と絶望した日だ。
あの落ち込みから立ち直るためにヨガをはじめ、
瞑想に出会った。
ヨガが縁で奥さんとも出会い、いまでは子供もいる。

もしも、人生がずーっと好調で絶望しらずだったら、
ヨガに出会うこともなかったし、いまの家族もいない。
だとしたら、深く絶望したあの日こそ人生最良の日だ。
あの日がなかったら、今の私はいない。

不遇も苦しみも、いい側面がある。
確実に言えることは人を鍛え、人生を模索させる。
暗闇のなかで見つけた光は本物だ。

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Category: 読書

- 2015年11月4日

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