無駄づかいの法則

 

たくさんあるものを無駄づかいしてしまう、という法則があるのでは
なかろうか。

たとえばお金。
この間「しくじり先生」という失敗談を語る番組で、
一気にスターダムにのしあがった俳優が、最高月収が2000万円に
なった途端に、どんどん馬鹿げたお買い物をしてしまったという
しくじりを語っていた。
でも、一ヶ月に2000万円も収入があったら
一体どれくらいの人が正気を保って生活できるだろうか。
私はまったく自信がない。
月収20万円のときのように使いお金を精査して
慎重にショッピングしなくなる。

失敗の最中に、平常心でいることの難しさを知る人は多いけれど
成功の最中こそが危険なのだと、しくじり先生を見ていて思う。

次にでてきたしくじり先生は膨大な借金を抱えていた。
バブル期に投資で大成功して、何億円もの資産を築いた経験の
ある人だった。
その成功がリスクの勘定を甘くさせて、もっとボロ儲けできる
危険に取引に手をださせた。
その結果、一気に財産を失い、同時に膨大な借金をかかえることに
なった。
成功が失敗の序曲だった。

成功=たくさんあるのはいいことのように思えるけれど、
そこで真っ直ぐ歩いていくのは難しい。
それならむしろすこし欠乏しているほうが
全うに生きられるのではないか。

愛人をつれて歩いている有名人を知っているけれど、
彼も有名にならず、平々凡々ならばまっすく歩いていた
のではないか。
知名度、お金、権力。
たくさん持っている人には、誘惑も多いのだ。
成功することは、危険な道を歩くことを意味する。

もっと身近なものにも、このたくさんあるものを無駄づかいしてしまうの法則は
通じる。

たとえば食品。
私の家には大型の商品を売っているアメリカ発の会員制スーパーの
商品がある。
とても大容量でお得だと思えるけど、
たくさんあると、ついつい沢山食べてしまうという
ことに気づく。
すこししか入っていないパッケージの食品だったら、
「あと3つしかないから大事に食べよう」と思うけど、
たくさんあると「よし思う存分食べよう」という風に
マインドが切り替わる。

アメリカ人は肥満で悩む人が多い。
これはもしかしたら大容量のパッケージングが原因では
ないだろうか。
アメリカのドラマで、アイスの大きな箱を抱えて食べている
人をみるけれど、日本だどあれくらいのサイズの商品は
見当たらず、日本のドラマであのデカイサイズのアイスを
抱えて食べている人がいたら異様に目立つけど、
アメリカンサイズの商品ばかりなら、日常の風景だ。
大きいことはいいことだ、という言葉があったけれど、
食品に関しては無駄で肥満のもとだ。
日本のように少ないパッケージで売るようにしたら、
肥満をずいぶん減るんじゃなかろうか。

たくさんあるものを無駄づかいしてしまう。
だから、財布には必要最低限のお金しかいれない。
転がり込む臨時収入は、気軽に手が届かないように
定期なりなんなりと換金しにいくものに変える。
家におく食品も必要最低限にするけれど、
災害時の備蓄は別に確保する。
ひっそりと生活する。

人体は飢餓には強く耐える能力を持っているけれど、
飽食には弱い。
それと同じで、失敗に耐えられる人は多いけれど、
過剰な成功に耐えられる人は少ない。

ほどほどにそこそこに。


Category: 生活を変える方法

- 2016年6月9日

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