ほどよい加減の人間の世界

 

最近、マハーカルナー禅師ポッドキャストを聞いている。
このお方、アナウンサーの人が変わりに喋っているのかと
思うほどしっかりしたお声で、話す内容も理路整然としていて、
聞いていてとても為になる。
おすすめだ。

 

 

 

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このあいだは輪廻転生でめぐる世界(境界)のお話だった。
地獄と極楽。
これらの世界は瞑想のレベルがあがってくると、
実際に認識できる世界であるとのこと。

地獄。
一度地獄や動物に生まれてしまうと、奇跡のようなことが
起きないかぎり、ふたたび人間には生まれることは
できない。
これらの世界に行かないためには、五戒を守る必要がある。
逆にしっかりと五戒を守っていれば、絶対にここには行かないという
ことだろう。
五戒、すごい重要なんですね。
あらためて守らないといけない。

そして、人間よりも上の天界は、寿命が長く
あらゆる幸福を楽しむ世界であるということ。
極楽や天国のイメージそのままだ。
ここには善行を積むことで行くことができる。
つまり天界に行くためにはとくに仏教でなくても
いいということになる。
無宗教の人でも世界に善をなす人は天界に行くだろうし、
キリスト教徒でもイスラム教徒でも、善人は天界に行く。
たぶん、これはそこをなんと呼ぶか、という呼び方の
違いで行き先は同じなんだろうと思う。

人間界は、これと定まった個性のない世界に思える。
地獄と天界に狭間。

だから、人として地獄のような体験をすることもできる。
ときとして天にも登る喜びを感じることもある。
本当の地獄と天界に比べると疑似体験のようなものなんだろうけど、

バラエティにとんでいて、ある程度自分の意志で生きることができる。
ほどよい世界だ。
地獄や動物に生まれると、苦しかったり能力が足りなかったりで
善行を積んだり、修行することができない。
逆に天界に生まれると、楽すぎてまったく修行にならないし、
あらためて積むような善行もないような世界なんだろう。

人間に生まれるということは、学校や道場に入ったのと
同じなんだと思う。
私はこの世界観、信じることにする。

こういう世界観を信じると生き方が変わるだろう。

この世の富や権力を得るために嘘や暴力を使うこと
はありえない不利な取引に思える。
たかだか人間界のチープな富や権力なんかを手に入れる
ために地獄に落ちるのは割にあわない。
そして、嘘をつかず、布施をして全うに生きることで、
人生で損をしても善行を積むことで天界に
生まれ変われるのなら、その損は大いに報われる。

この人間界で手に入る物質的なものや快楽は、
たかが知れている。
キリストは「天に宝をたくわえなさい」と言った。
これは善行を積みなさいという意味だろう。

これらは瞑想修行をしなくてもできることだ。
子供に瞑想しろ、と行ってもその子の個性が
あるから無理強いできないし、続かないだろう。
でも、子供にしっかりとした道徳的な生き方を
教えることなら可能かもしれない。
そのためにはまず親が見本を見せないといけない。
私は完璧じゃない。
だから試行錯誤して奮闘しながら、なんとか正しく生きる
背中をみせていくしかない。
これは仏教を信じる信じないを超えて、
子供にとって役にたつことだろう。
教育として、それ以上に価値のあることは見いだせない。


Category: 仏教, 生活を変える方法

- 2015年12月4日

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