知的に鍛えると三日坊主になりようがない

またやってしまった。
ランとバイクの有酸素運動を中心にすえて、疲労が激しい筋トレは控えていた
のだけど、謎の理論で有酸素運動により体重が増えて、
(普段は56キロくらいが60キロ)
体が逞しくなって、痩せていることが劣等感の私は
嬉しくなって「もっともっと」と筋トレをちょっと
激しくやったら、ものの見事にやり過ぎた。

翌日、起きられない。おきても体痛い。頭に霧がかかってぼんやり。
動けない、頭の回転遅い、自作自演のアホの出来上がり。

いったい、何回目の失敗だろうか?
ポールウェイド先生の「プリズナートレーニング」には、
懇切丁寧に「馬鹿げたやり方」と「賢いやり方」と対比して、
結果をすぐに求めるためにガンガン筋トレするやり方(馬鹿げたやり方)
無理のない範囲ですこしづつ負荷をあげていくやり方(賢いやり方)
を説明してくれていたのに、筋トレをした際にでる脳内イケイケ物質の
影響で「もっとできる!」とやり過ぎてしまった。

これは、ぜんぜんポール先生のお話を理解していないという証拠だ。

自分なりの言葉で、やっとこの手痛い失敗から学べたので説明したい。

体に刺激を加える。
運動というのは、安楽にしていたい人体に対する刺激だ。

激しくケトルベルをすると、体は緊急事態になる。
緊急事態のために、体は体を削って対応し、
それを続けると、寿命が縮み、怪我をして病気になる。
昭和時代のヨガの大家は、睡眠時間が極端に短いことを
誇るような人が多かった。
私ごときが足元に及ばない強い精神力でそういう無理を
強いることに成功した彼らは、短命でこの世を去った。

一方、適度な刺激に順応するようにゆっくりと運動すると、
それに慣れて体はゆっくりと強化されていく。

一般的に何かしらの目的を立てて運動しようと思い立った人は、
早く目標に到達したいと、目一杯の努力をしてしまう。
やる気があるうちはその無理も続くが、体は異常信号に
いつか意思の統制も破られ、3日坊主の誕生だ。

重要な言葉「順応」と「緊急事態」

嫁がダイエットのために走ろうと決めた。
私からのアドバイスは「ゆっくりゆっくり走ろう」
「まずは家の近所を一周しよう」だ。
体を「緊急事態」にしない刺激で、「順応」させていく。

この考えから、ケトルベルの重量を16キロから
12キロにダウンして、さらに回数も減らした。

高山に登る人が、すこしづつ酸素の薄い高地に体を慣らしていくのに
似ている。
いきなり高地順応させずに、エベレストの頂上を目指せば
死体になって高地に眠ることになる。

運動はやりすぎてしまう性質のものだ。
動くといろいろな脳内物質が放出されて、
感覚の信号を見出して麻痺させてしまうからだ。

イケイケの状態で、もっともっとのところで
ぐっと踏みとどまって、少し物足りないくらいで
地道に順化させて、鍛えていくのは知的な取り組みだ。

もしも、筋肉を作ることが仕事のボディビルダーならば、
翌日の疲労感や痛みや頭が鈍くなるリスクを
払ってでも、鍛える必要がある。
でも、そんな人の方法論は参考にならない。

我々、鍛えた体で何をするか、が問われる社会人がとる作戦は
地道な順応、これしかないと思う。



Category: ケトルベル

- 2020年5月13日

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