ハゲタカと自由

 

昔、NHKドラマで「ハゲタカ」という
金融ドラマが放送された。
大森 南朋演ずる外資ファンドの辣腕マネージャー鷲巣と、
柴田恭兵演ずる銀行員の芝野の熱い戦い。
欲望、贖罪、そして救い。
素晴らしいドラマで、ずーっと心に残っていた。
この間、2度目にみたときもその感動は変わらなかった。

ちなみに私は記憶力があんまりよくない。
でも、これにはメリットもある。
以前みたドラマでも、あんまり覚えていないから、また新鮮に見ることが
できる。感動する。なんでも物事には両面ある。
忘れるから新鮮に生きることができる、ということもあるだろう。

ちなみにドラマ版と原作は設定が結構違う。
私的にはドラマ版のほうが好み。
最高。
鷲巣と芝野が共通のトラウマを抱えているというのが斬新。
脚本家さんいい仕事されてます。

脱線したけど、その「ハゲタカ」のエンディンテーマ
「ROAD TO   REBIRTH」も素晴らしい。

すべて英語の歌詞で、どんなことを歌っているのか調べると、
1800年に活躍し、小説「嵐が丘」で知られるイギリスの女流作家
エミリー・ブロンテの詩が、歌詞として使われていることが判明。

「ROAD TO   REBIRTH」

「富は問題にならない」

富なんてものは問題にもならない、
恋だって、考えただけで吹き出したくなる。
なるほど、名誉欲か? そういえば、昔夢見たこともあったが、
日が射すと忽ち消える朝露みたいなものだった。

もし私が祈るとすれば、自然に
口をついて出る祈りはたった一つの祈りだ。
「今の私の心をこのままそっとしておいてくれ、
そして、ただ自由を私に与えてくれ」という祈りだ。

すべては速やかに過ぎ去る、どうやら私の
終わりも近い、そこで私が求めるものは、ただ、

何ものにも囚われない一人の人間として、勇気をもって、
生に堪え、死に堪えてゆく、ということだけだ!
ハゲタカというお金に人生を翻弄される人びとを描いたドラマに
この詩のチョイス。
凄いッス。

そうなんだよね。
私達が求めるものは「自由」だ。
富も愛も、名誉も、私たちを自由にするだろうか。
しない、でも私たちはそれに囚われて、自由を失う。
ROAD TO   REBIRTHは音楽も素晴らしいけれども、
詩も深い。

あと、だれかインヴィクタスに曲をつけてくれないだろうか。
ネルソン・マンデラが獄中で心の支えにしていた言葉。
これも素晴らしい。

インヴィクタス
私を覆う漆黒の夜
鉄格子にひそむ奈落の闇
私はあらゆる神に感謝する
我が魂が征服されぬことを

無惨な状況においてさえ
私はひるみも叫びもしなかった
運命に打ちのめされ
血を流しても
決して屈服はしない

激しい怒りと涙の彼方に
恐ろしい死が浮かび上がる
だが、長きにわたる脅しを受けてなお
私は何ひとつ恐れはしない

門がいかに狭かろうと
いかなる罰に苦しめられようと
私は我が運命の支配者
私は我が魂の指揮官なのだ

勇敢な心の歌。
インヴィクタスもいい映画なんだよねぇ。
なんてとりとめのないブログ。

でも、素晴らしい詩が二編も転記してあるから
他力でとても充実した記事になったのだ。

ハゲタカ DVD-BOX


Category: 映画

- 2015年10月9日

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