瞑想のフリーフォール

生身の体で海の深いところまで潜る
フリーダイビングは、
自分の力で最初から最後まで
泳いで潜るわけではないそうだ。

もちろん最初の段階はフィンをつけて、
一生懸命に潜ろうとする。

しかし、深度がましていくにつれて、
肺が縮み、水圧が浮力を打ち消して、
なにもしなくても自然と潜っていく。
その映像をみたけど、無重力状態の
宇宙を進むように一定の速度ですーっと
潜っていく不思議な光景だった。

これをフリーフォールという。

 

これは瞑想の過程に似ている気がする。

最初は努力して瞑想に入るべく、
意識をつねに呼吸に向ける。

でも、ある程度、体が静まって
いくと呼吸と意識が一体化して
ほんとうに楽に瞑想に沈む瞬間がくる。
私のレベルだと調子がよい時のほんの僅かな瞬間しか
そんな深みはないけれど、時々ある。

そして、日によっては瞑想していて「ぜんぜん無理」という日がある。
疲れていたり、眠かったり、でも、そのコンディションの中で意識を
呼吸に向けようとする努力は無駄にならないと思う。
それは、自分で努力して海に潜る力をつける筋トレに似ている。
体調が悪いから瞑想の深みには入れないけど、
精神を鍛えるにはもってこいだ。

そういう努力は、いいコンディションの時に報われる。
だんだんと速やかに深海に到れるようになる。
私はまだぜんぜんだけど、
ラリーローゼンバーグの「呼吸による癒やし」には
タイの熟練瞑想者の僧侶が、エレベーターで移動するように
一気に深い瞑想の境地に入るという話が書いてあった。

それはたとえるなら、人間を超えてマッコウクジラのように
一気に深海まで潜水していくのに似ているんだろう。
瞑想の熟練者は、そもそも瞑想で脳そのものが常人と
違う常態にまで鍛えれているそうだ。
瞑想力は筋力と同じ鍛えると向上する能力だ。
苦しい筋トレで筋肉が鍛えられるように、
瞑想の努力も無駄にならない。

 

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Category: 瞑想

- 2015年2月23日

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