いい声俳優トム・ハーディのナンバー1は映画「ウォーリアー」だ
私がハリウッドで一番いい声だと思うのは、
トム・ハーディだ。
ダークナイトライジングのベイン役で
はじめてトム・ハーディのことを知ったのだけれど、
その声の不思議な魅力が離れなかった。
悪役ベイン
そして、マッドマックスで
マスクなしのトム・ハーディをはじめてみたとき、
こんな顔していた人なんだということに驚いたことと、
オープニングの語りにすっかりやられた。
一気にトム・ハーディファン。
一時期は映画のトレイラーを収録した
iPodでその声を繰り返し聞いていた。
私にとって彼の声は音楽になるのだ。
ダークナイトもマッドマックスも、
死ぬほどお金がかかった超大作映画だけれど、
今日紹介したいのはほとんど知られていない「ウォーリアー」だ。
日本ではほとんど映画館で上映されなかった。
これがパッケージなんだけど、
どんな映画を想像するだろうか？
私は「マッチョな男が腕力自慢を争うB級映画」という
印象だ。
マッチョが売りのバカ映画かもしれない、と見るのをしばらく渋っていた。
しかし、レビューをみると存外に評価が高い。
それに押されて試しにみてみた。
はじめてシーンからすっかり映画の世界にとりこまれた。
地味なシーン。
仲違いした父親と息子の再開。
会話のリアリティ。
まさにドキュメンタリーの世界だ。
画面にただようリアリティ。
登場人物たちは、すべてリアルで
さまざまな人生が交錯する。
なんでこんなにリアルに感じるんだろう、
その理由がわからない。
ただならぬ映画だ。
ストリー自体はロッキー的で
すこしご都合主義的なこともあるけれど、
それがすべて重厚な人物描写でねじ伏せられる。
一コマ一コマ無駄がない。
登場人物はベラベラと説明しない。
観客の想像力はすこしの情報にかきたてられる。
等身大の人間。
アル中だった過去を悔やむ父親。
過去の父親の仕打ちを許せない息子たち。
戦争の影と、娘の医療費のための借金。
大金を求めて、格闘技大会に出場する兄弟の話なんだけど、
二人が闘うシーンには没頭して見入ってしまった。
ただのアクションシーンではなくて、
それは人生と人生が交錯する瞬間なのだ。
予備知識なしに見たのがよかった。
一体だれが勝つんだろう、とハラハラする。
想像もしなかったけど、見ている最中
何回か涙がでた。
思い通りにいかない人生、過去の誤ち。
家族愛。
これは傑作だ。
すごいものをみた。
大作であるダークナイト・ライジングよりも、
マッドマックスよりも、私はウォーリアーのほうが
映画として凄いと思う。
おすすめ１００％。
なんでこんな傑作が静かに埋もれているんだろうと
不思議に思う。
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