未来の苦は避けることができる

ヨガ(瞑想)の効果を考えていると、ふと
「絶対に実感できない効果」があることに気づいた。
それは「未来の苦を避ける」という効果だ。

ヨーガスートラに書かれた言葉。
「未来の苦は避けることができる」(ヨーガスートラ(以下ys略)2,16)
ヨーガ(瞑想)をしていると、未来の苦しみの原因が減る。
どうしてそんなことが起きるかというと、
「煩悩から生じる心のプロセスは、瞑想によって打ち消すことができる」
(ys2,11)
という瞑想の力だ。

暴走する欲や嫌悪感に突き動かされないようになればなるほど、
行動がクリーンになるので、
未来に起きるトラブルや苦しみは減っていく。

「悪いことをすると悪い結果になる」という法則は
裏返すと「悪いことしなければ悪い結果はない」になる。

自業自得の苦しみが未然に防がれる。
でも、これは「あっ、助かった!」という感覚がぜんぜんない。
「危機」と「助かった!」はセットだからだ。
危機がなければ、平穏だから助かった!という感覚もない。

たとえば心臓病になって生きるか死ぬかの複雑な手術を
成功させた執刀医は患者に感謝されて
「先生は命の恩人です!」と多大な感謝をされるけれど、
「ちょっと食生活を見直して、毎日1時間早歩きしましょう」と
アドバイスして、心臓病を未然に防いだ医者は
執刀医ほど感謝されない。

本当は執刀医以上の仕事をしたけど、
どれくらいのリスクを未然に防いだのか患者にとって
実感が無いので、まったくありがたみがない。

実際にドラマチックな心の苦しみから救われると、
「うあぁ、すごーい」となるだろうけど、
そのドラマチックな心の苦しみを未然に防ぐという
効果は、苦しみを実感させないので
過小評価される。

これはなんにでも当てはまる。
健康も、人間関係も、経済状態もなんでもかんでも。
大きなトラブルに発展する前に、
小さいときに未然に防ぐに限る。

幸せを目指すよりも、不幸を防ぐほうが
確実に安楽になれる。

 

th_candle-171731_640


Category: ヨガ的かんがえ, 生活を変える方法, 瞑想

- 2015年7月11日

コメントを残す

Your email address will not be published / Required fields are marked *