ネガティブ卿ショーペンハウアーの孤独

 

人をネガティブに評価する傾向があって
それを改めんといかんなぁ、という話を先日書いた。
ネガティブに評価といえば、思い当たる人物が一人いる。

問題人物?哲学者のショーペンハウアー先生も、
かなりネガティブに人をみる方だったらしく、
寂しい人生を送った。
シスの暗黒卿ならぬネガティブ卿と冠することが

できるくらい筋金入りだ。
ショーペンハウアー先生のことは尊敬しているけど、

実際に会いたいか、というと会うのが相当に怖い人だ。
ユーモアのセンスがある人だけど、
「ああ、この人きっとおれが底抜けの馬鹿に見えるんだろうなぁ」と
いう感覚は会っているあいだずっと拭えないだろう。

この人の書いた文章をみると、近所付き合いをして

友達と酒を飲み交わし、楽しく人付き合いをして
生きたとは到底思えない。
家族もなく友もなく独り。
むしろ社会を軽蔑し、孤高に生きようと
した人だと思う。
ブッダのいう「犀の角」だ。

ショーペンハウアー先生は賢すぎた。
周囲をみまわしても自分と同等の人が見当たらない。
愚者に囲まれて生きているような気がしていたんだろう。
ネガティブな評価というか、優れすぎているがゆえに
率直にそう感じていたんだろうと思われる。
雀の群れにまじって生きる鷹は孤独にならざるえないだろう。
優れすぎているのも不幸だ。

さいわいなことに私は賢くない。
他人をみて「この人は私よりもここが優れているなぁ」と思えるところが
かなり見つかる。それは福音だ。
ほどほどなことにもメリットがある。

優れていることで人生が不幸になる、なんてこと。
けっこうあるのかもしれないと思った。

 

240px-Schopenhauer

それにしてもショーペン先生、
もみあげのワイルドさと毛の逆立ち具合が
XMANのウルヴァリンに似ているなぁ

 

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Category: 読書

- 2016年1月12日

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