強さの要素

「筋肉=強さ」という人は巨人を目指す。
でかく、ひたすらでかく。
しかし、強さというのは多面的なものだ。

ハーフマラソンに出たとき、大柄な男がへたり込んで
いるのを見た。
痩せた私と強さが逆転だ。
長い距離を走るというモノサシで測ると、巨体は弱い。

モノサシが変わると強さも変わる。

こんなことも聞いた。
体がぷよぷよのおじさんが昔の職場での体験を思い出す。
体脂肪率が10%を切るボディビルダー社員が、
冬になると風邪ばっかり引いている、
その当時は、そいつが休んでばっかりいるから
休日出勤になって大変だったと。

自分を追い込む筋トレで、免疫力が低下してしまい
体脂肪率が20%はあろうかという普通のおじさんよりも
バーベルには強いけれど、細菌にはとことん弱い。
免疫力というモノサシではかると弱い。

肉体が強ければいいってだけじゃない。

腕力も免疫力も強い男が、精神的に安定していなかったら。
ある時、売り言葉に買い言葉、カッとなって喧嘩して失業した。
腕力は持っていても、自分の心を制御できない弱さを
もっていたら弱い。

筋肉もあり、持久力もあり、メンタルも安定している。
知識も金もあり、権力もある。
そんな人は大英帝国に支配されていたインドには大勢いただろう。

だけど、大英帝国が一番恐れた男は、
痩せた小男であるガンジーだった。

ガンジーの強さとは、どういう次元の強さだったのだろうか?
バーベルを持ち上げる強さから、帝国を祖国から撤退させる強さ。
強さは多面的だ。
一つの強さに執着していたら、別の強さは見えない。

しかし、ガンジーは最後に暗殺されてしまう。
ではその暗殺者が最強なのか?
人生の勝者なのか?と言われれば違う。

すべての人はどれほど強くても、
世界を統べる帝王でも死ぬ。
じつに固定した永続的な強さなど、
存在などない、というのがこの世の真理だ。

究極の条件での強さとは、なんだろうか?
世界の大嵐の中で、大波に翻弄される難破船の乗員。
彼の発揮できる強さとはなんだろうか?

ストア派哲学者なら、こう答えるだろう。
「自らのコントロールの内にとどまれ」

ガンジーでいうならば、死はコントロールできない。
ストア哲学者でなかったが、ヨギーであるガンジーは、
同じ賢明さを備えていた。


暗殺者の弾丸を受けたガンジーは残された命で、
自らの額に手を当て「あなたを許す」という
ジェスチャーをし「おお、神よ」といって息絶えた。

強さのことを考えてみると、最も重要なのは「心の強さ」だという
結論になる。

心を強くするには?
ストレスを与えること。
賢明であること。

学ぶこと。
瞑想すること。
未知に挑戦すること。
肉体を鍛えてストレスに慣れること。











 

 

 


Category: アシュタンガヨガ

- 2019年11月7日

Comments

  1. 久々更新されて良かったです。いつも学ばせていただいています。

  2. 久々に更新されて良かったです。
    いつも生きるヒントを頂いています。
    ありがとうございます。

  3. 佐藤さん、サラゴラさんありがとうございます。
    独り言みたいなブログで恐縮ですが、これからも更新していきたいと思います。

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