綺麗にカバーされたツラい現実
この世は綺麗にカバーされているけれど、
<不自由で苦しい>のではないのか。
一見するととても美しい世界だけれども、
どこに行っても自由や安楽は存在しないのではないか、
朝起きたときに思った。
日の出前の静かな朝と、森の匂いのする空気。
風景は平和そのもので、美しい。
私はいろいろなことに恵まれて生活しているけれど、
いまだ日々、悩んで生活している。
こんなに世界は美しい、そんな世界で悩んで生きる矛盾は
この現実の当たり前の姿なのではないか。
ブッダはすべては<不自由で苦しい(苦)>だと言った。
我々は四苦八苦しながら生きている。
8つの苦しみのカテゴリ。
<生きること>
<老いること>
<病になること>
<死ぬこと>
<愛するものと別離すること>
<怨み憎んでいるものに会うこと>
<求める物が得られないこと>
<人間の肉体と精神が思うがままにならないこと>
世界を支配する独裁者になっても、これらの苦しみからは逃れることができない。
人間の権力の及ばない苦しみが独裁者の首を締めるだろう。
生きているそのものの不自由さと、欲望と嫌悪と執着のエネルギーで、人は苦しめられる。
苦しみは避けられない。
どんなに綺麗な国に住んでも、考えられる限り最高にストレスの
ない生活をしても、生きている限り苦しみはついてまわる。
だから、日々悩みや不満を抱えて生活しているのは
まったくもって正常で、この世界の基準的な生活なのだと
いまさらながら安心した。
ふとすると「悩みのない生活があるのはではないか、
こうやって悩んで生活している私はおかしいのではないか」と
妄想したりするけれど、世界の性質上、それは無い。
みんな笑顔の下に人知れず悩み苦しみを抱えて生きている。
俗世間に生きるというのはそういうことなのだ。
ブッダはすべては苦しいと言ったけれど、その原因と
そこから抜け出す道もあると同時に言っている。
その脱出の仕方は一言でいえば<無執着>だ。
ブッダの教えの核心でいえば、
「悪いことをせず、善いことをおこない、自らの心を浄めること」
の「心を浄める」の部分だ。
これはまだ私にとって未知の部分だけれど、
その感覚は瞑想ですこし触れている気がする。
偉大な人の教えを聞くのもいい。
苦から脱するヒントが満載だ。
仏教の法話でおすすめなのはアーチャンチャー老師だ。
型破りな禅師のような方で、言葉はシンプルでわかりやすい。
「手放す生き方」もいいけれど「無常の教え」もおすすめで、
また再読しようと思う。
偉大な人は暗闇の灯台だ。
サンガ
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