腰痛治療革命、脳が痛い

 

私は腰痛じゃないけど、よく腰痛の人に出会う。
腰痛は謎だ。
手術をしても治らない人もいる。
「怒り」が原因だという人もいる。
国民病といえるくらいメジャーな症状だけど、
「これをしたら絶対に治ります」という方法がいまだ
見つかっていない。
謎なのだ。
だから腰痛関係の番組はだいたいチェックする。

この間はNHKスペシャル「腰痛治療革命」をみた。
これが凄くよかった。

この番組では、
「長引く腰痛の原因は、筋肉ではなく
「脳」にある」
という画期的な説をとりあげている。

ヘルニアの9割は手術をしなくても、自然に治癒していく。
だけど、腰痛になったときの痛みの恐怖が、
脳に痛みの神経回路をつくる。
「また腰痛になったらどうしよう?」
と恐怖を感じている脳は、その恐怖で
痛みを鎮める能力が低下する。
そして、実際には骨や筋肉に
異常がなくなっても「痛みの回路」だけが残る。
脳が普通の状態なら「痛み、ストップね」と痛みの神経回路は
沈静化されるけど、恐怖を感じている脳はその能力を失い、
結果として痛みが暴走する。

だから腰痛が長引く患者を調べても、
筋肉や骨に異常がみつからない。
痛みを感じているのは「脳」だからだ。

筋肉が傷んで脳に走る痛みの信号と、
脳が単独でおこす痛みの信号。
最終的に痛みの情報を処理するのは脳だから、
体験する人にとって、どれもリアルな痛みだ。

でも、脳単独でおこる痛みの信号は、
筋肉や骨格を治療することで治らない。
ピントがズレているからだ。
この番組では運動と心理療法で腰痛を改善するという

治療法を提示していた。

「体が治っても痛みがある」
そんなことあるのか?と思いながら考えると、
長年の疑問が氷解した。

じつは私、去年の夏からアルコールはやめている。
仏教の五戒である「お酒や麻薬をつかわない」を
守って生活することに決めたからだ。

でも、お酒を飲む人と食事をするときは、
私もビールを飲んでいる気分を味わいたくて、
ノンアルコールビールを飲んでいた。

何杯も何杯もノンアルコールビールを飲むと、
なぜか、本当に不思議なんだけど、
「軽く酔っている」自分を発見して驚愕。

毎回、
「なぁ、ノンアルコールビールって、
アルコール入って無いよなぁ?」

とアホみたいな確認をして、ノンアルコールビールの
表示ラベルを確認する、ということをしていた。

絶対にアルコールは入っていない。
そもそも微量にアルコールが含まれていたら、
ノンアルコールビールじゃないし、
「運転手はノンアルコールビールで我慢」みたいな
飲み会あるあるは成り立たない。
飲んだら飲酒検問で捕まるノンアルコールビール、ありえない。

でも、実際の感覚として
私はノンアルコールビールで酔うのだ、、、、
あんまり馬鹿らしいので人に言えなかったけど、
これでわかった。

私の体は「ビールを飲んでいる」と
味とのどごしで判断する。
そうなると、無意識に記憶が再現されて「酔っ払った状態」の
ときに感じていた感覚が蘇る。

アルコールをやめても、
「酔っ払った記憶」は以前、脳に残っている。
体が治っても腰痛で悩む人のようにだ。

同じように、私はホワイトリカーで着けた梅ジュースの
梅を食べても酩酊する感覚はおきる。
昔、好んで梅酒の梅を食べていたからだ。

想像以上に、身体感覚ってあやふやでいろいろな過去に左右されている
ものなのかもしれないと思った。

 

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Category: ヨガ的かんがえ, 生活を変える方法

- 2015年7月21日

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