ハーフマラソンに参加（金沢ロードレース２０１５）
BORN TO RUNを読んで、走る民族「ララムリ」凄い凄いと
影響うけまくりの私。
ハーフマラソンに参加してきた。
週に１回しか練習できず、ハーフマラソンの距離（２１キロ）を
走ったことがない状態での参加で、不安がいっぱい。
今回の目標は「最後まで歩かずに完走する」こと。
避けるべきは、
「途中で足が痛くなって歩くこと」
「体力が尽きて歩くことを避ける」
完走を目指すべく、超保守的な作戦でいどむ。
シューズはパタゴニアの「アクティビスト」
BORN TO RUNでは、走る民族「ララムリ」は
廃タイヤで作った「ワラッチ」というサンダルで走っていた。
クッション性がほとんどなく、裸足に近い履物なのだ。
私もララムリにならい、ベアフットラン用の裸足に近いシューズを
いろいろ探していたけど、「これだ」とフィットするのが無い。
で、ふと日常履きに買ったスニーカーの「アクティビスト」の底の薄さと
柔らかさに「これだ！」とランニング用として使うことを決定。
練習にあたっては金哲彦さんの「ランニング・メソッド」
ダニードライヤーさんの「気ランニング」
大修館書店
売り上げランキング: 186,152
この２つを参照した。
「いかに省エネルギーで走れるか」という本なので、
とても参考になった。
レース当日は、高橋尚子さんが挨拶。
「２時間以内に帰ってきてね！」と連呼していた。
私はとくに準備体操もせず、なるべく安静にしていた。
ドキュメンタリーでみたララムリの男たちは準備体操などせずに、
ぼーっと佇んでいたのだ。
それを真似る。
個人的には体を効率的に動かすのなら準備体操はいらないと思う。
怪我をするような動きをするのなら、どのみち準備体操をしていても無駄だ。
８時２０分にスタート。
何人参加したのか知らないけど、かなりの長蛇の列。
私は「無理せず完走作戦」だから、超スローペースで走る。
そうすると、みるみるうちに遅れていって、
気がつくと最後尾にいた。
いきなり最下位だ。
でも気にしない。
体の動きを確認。
肩甲骨を動かして腕をふり、
骨盤を前傾させて、重心を前にして走る。
着地点確認。足の前に体重は乗っているか？
２１キロも走ったことの無い私には、
いったいどれくらいのペースで走れば、
故障せずに体力が切れないのか、検討もつかない。
だから、息苦しくないペースで黙々と走る。
さっそく、道端に倒れて介抱されている人がいる。
たぶん１キロも走っていないけど、肉離れかなんかおこした
んだろう。
前をはしるのは、オタク風の青年や年配の人たち。
みんないろいろな体の癖で走っている。
左に傾きながら走る人。
足をハの字に開きながら走る人。
ぴょんぴょんと飛び跳ねるように走る人。
肩がガッチリ固定されているような人。
他人をふりをみて、自分のフォームを再チェックする。
最後尾グループの中で、規則正しいリズムで体軸がふらふらしないで
走っている女性がいて、その人のペースにとりあえず合わせてみることにする。
５キロ通過したあたりから、何人か追い抜いた。
私のペースが早くなったのか、それともあちらがペースダウンしたのか。
わからないけど、最後尾は気楽だ。
追い抜かれることが少ない。
そう思っていると、後ろから凄い速度で
カモシカの群れのような完全なるランナー体型の
男たちが猛烈に走ってきて、あっという間に追い抜かされた。
なんたるペース！何あれ？！と思っていると、
カモシカランナーたちは、１０キロコースのほうを曲がっていった。
ハーフマラソンのあとにスタートをきった１０キロコースの
トップ集団だった。
ありえないスピード。もはや次元が違う、人種が違う。
今日会場にきていた高橋尚子さんもマジで走るとあれくらいの
ペースでフルマラソン走ってしまうんだろう。
自分で走ってみると、凄い人の凄さがあらためてわかる。
給水ポイント。
人生初の給水をする。
紙コップを手にとって一気飲みして、むせる。
飲みきったら、何故か係の人がわんこそばのように
私に紙コップを２つ渡そうとしたけど、お断りして走る。
まわりをみると、水を頭からかぶっている人がいた。
体を冷やす用の水かもしれない。
とはいえ、スローペースの私はまだ汗もかいていなければ、
息もあがっていない。
それでも、地味に上流からランナーが流れてきて、
私の下流に流れていく。
自分が静止していて、地面が流れていくような感覚。
かなりいいペース。
前を走っていた人たちが、体を折り曲げて走りながら、
流れていく。
１０キロを通過したあたり。
歩道から応援してくれる人が定期的にいらして、
「がんばって」と声をかけてくれる。
元気になる。
ありがたい。
応援してくれる人がいると体が楽になる。
これは知らなかった。
いままで応援は直接的な力にはならないんじゃないか、と
思っていたけど、考えを改めた。
海側環状線に入ったあたりから、すこし坂があったり
して、落ちてくる人が多くなった。
いろいろな人が参加している。
体重が９０キロはある巨漢が、見えてきて追い越す。
これはフェアじゃない。
私はあなたを追い抜いたけど、条件が違いすぎる。
私は体重５５キロ。
ここまで同じ距離を走ってきたんだろうけど、
走るのに重いのは不利だ。
でも、これがラクビーとか格闘技になると
体重があればあるほど有利だ。
生まれてはじめて私の「痩せすぎコンプレックス」の利点に
気づいたんだけど、
食べても太らない体質の人は、
体が軽いから持久走に向いているんじゃなかろうか。
前方に背中に「亀」と書かれた亀仙人の弟子スタイルの
男性がみえる。
体力が尽きて、歩いている。
悟空が歩いている。
面白い。
でも、完走できるかできないかわからないのに、
孫悟空のコスプレで大会に出てきた男性の
勇気は凄いと思う。
１５キロ地点通過。
そろそろ速度をあげてもいいような気がしてきた。
でも、今のペースで順調にいろいろな人を追い抜いていく。
全体的にみんなの走るペースが落ちてきている。
私のペースは変わっていない。
順調だ。
「絶対完走作戦」どおり。
体力には余裕がある。
いつペースをあげたらいいんだろう。
あんまり早く上げすぎて、体力が尽きたら作戦失敗だしなぁ、と
だらだらとラストスパートのスイッチオンを引き伸ばす。
しばらく走り、追い抜いた男性の髪の毛をみると、
汗まみれで光っていた。
自分の髪を触ってみると、１つも汗をかいていない。
心臓の鼓動も余裕しゃくしゃくだ。
「、、、、、、ペースを抑えすぎた」
気づくのが遅すぎた。
１８キロをすぎて、猛烈に走る。
いままでは川に座って、上流から自然に
ランナーが流れてくるような追い抜き方だったけど、
ここにきて猛烈に走る。
ゴールしたら、もう一歩も走れないくらいに体力を
使い果たさないと大会に参加した意味がない。
さっきの汗まみれで一生懸命走っていた男性みたいに
なるのだ。
陸上競技場に戻ってきて、グラウンドを周回するときは、
ほぼ全力ダッシュだった。
こんなにダッシュできるくらい体力が余っているなら、
最初からもっと速度を上げればよかった、、、とも
思うけど、そもそも始めて２１キロを走るから、ペース配分が
わからないのも無理がない。
結局タイムは２時間１０分５５秒。
高橋尚子さんのいう２時間以内には帰ってこれなかったけど、
一回も歩かずに完走できたのでよしとする。
よくないのは、最後の猛烈なダッシュが原因で足を痛めた、、、、、
膝が痛い。
帰りには野々市の源泉掛け流し温泉の「しあわせの湯」に
つかって帰った。
露天風呂最高。
次はフルマラソンに挑戦なんだけど、
しばらく走るのはいいかぁ、、、と体がいっている。
BORN TO RUNの著者クリストファー・マクドゥーガルさんのスピーチ
BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”
日本放送出版協会
売り上げランキング: 10,661
読み物としても面白いし、目から鱗の事実が満載の本。
人をランナーにしてしまう魅力たっぷりです。
Category: 個人的記録
Comments