江戸の夏が再現される家

昔の人は夏をどう乗り切っていたんだろう?と
数年前まで思っていた。
クーラーもない部屋で夜、眠ることなんてできないと
思っていた。

しかし、2年前に山と田圃の近くに引っ越して
「これか」とわかったことがある。

以前も田舎だったけど、ちょっとの田圃とあとは
住宅とアスファルトという環境だった。
いまは目の前が200メートルほど田圃で、
家はまばらに立っているくらいの田園風景に住んでいる。

そうなると、昼間はたしかに30度を超えて暑いけど、
夜になるとどこからどもなく涼しい風が入ってくる。
真夏にもかかわらず、窓を開けて寝ると寒すぎて、閉めきって寝る
日もある。

土の圧倒的な冷却能力。
今年の夏は
夜に一回もエアコンをかけていない。
それでも快適に眠ることができる。

土には雨を保水しておく能力がある。
数日、日照りが続いても畑に水をまかなくていいのは、
染み込んだ雨がじわじわとあがってくるからだ。
ためしに畑を掘ってみると、表面は乾燥していても
20センチほど下の土は水分を含み、色が変わっていることが
わかる。
アスファルトだと雨は流れてしまって、
保水しておく余地がまったくない。
車が走るためにはアスファルトの道路は必要だけど、
エコロジーの観点からすると、性能はよくない。

アスファルトやコンクリートなんかが
無かった江戸時代は、どこもかしこも太陽が沈むと
しっかりと保水された土に空気が冷やされて、
快適に過ごせたんだと思う。

コンクリートとアスファルトの世界が
生み出されて、さらにそんな蓄熱性の高いものに
囲まれているからエアコンが必要になって、と悪循環なんだ
よなぁと思うこの頃。

 

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Category: 個人的記録

- 2015年8月11日

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