あなただけの世界

新しく働くことになったとある会社のことを調べたときの事。
検索していくと、匿名希望さんが集まる
巨大掲示板に行き当たった。
「まあ、ロクな情報はないだろうけど、、、一応みてみるか」
やめとけばいいのに見てしまった。

掲示板は想像した通りほぼ9割が悪口や誹謗中傷。
しかし、ゴミの中に宝はないかと読み進めていって、
結果、気分が悪くなっただけ。
そして、インプットされたゴミ情報で、
その会社のイメージが悪くなった。

「こんだけ酷い書かれようをしている、ということはもしかしたら、
本当なのかもしれん」とうっすら信じてしまった。

こういうときは最悪を想定する。
そうすればガッカリしないし、最悪に対応できるからだ。
覚悟を決めた。

「働きに行ったら人格のない奴隷みたいに扱われるかもしれない。
おれは人間の屑が集まる吹き溜まりに行くことになったのかもしれない。
でも、家族を養うためだ」

で、実際に行った。
そうしたら会う人会う人、感じのいい親切な人ばかり。
第一印象、かなり好感度の高い職場だった。
あの掲示板の情報はなんだったんだろう。
まるで別の世界の情報のようだ。

あらためて思う。
世界は1つではない。
人は自分が認識して、分別する世界にそれぞれ生きている。
匿名希望を傘にして悪口を書きなぐる掲示板を常用している人の
認識している世界は、まさに悪意と不正が横行する世界なんだろうけど、
同じ場所で善意を見る人もいる。
どちらが正しいというわけではなく、
ただ「見ている世界が違う」

よく思い起こせば、匿名ではなく自分のブログで
その会社で働いた経験を書いている人の情報では、
「みんなフレンドリーで楽しそうに働いている」と書かれていた。
その人は本当にそう思ったんだろう。
匿名掲示板の人たちは、恨むほどにこの会社が嫌いだと思ったんだろう。
バイアス(偏見)がかかった情報。
いや、情報には常にバイアスがかかっている。

本当に自分に有益な情報が欲しいなら、
自分の分身のような同じ世界観をもつ人間の体験談を
聞くしかないけど、その情報も時間と共にどんどん劣化していく。
あの時はこうだったけど、今はどうなっているのかわからない。

結局のところ、行ってみないと自分にとって本当のところは
わからない。
だれにとっても同じ世界は存在しない。

自分が敵意をむき出しに世界と対峙すれば、
世界は同じような敵意を返してくるだろう。
結果「世界は油断ならないところだ」という世界観は
正しくなる。

100人100通りの世界が出現する。
私は私だけの世界に生きていて、あなたはあなただけの世界を
生きている。
その世界を作るのは「心」だ。
だから自分の心を整えることが重要になる。
ヨガ(瞑想)をすると世界が変わる。
それは世界を成り立たせる心が変わるからだ。

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意識と世界の関係はショーペン先生の
「幸福について」に詳しい。
この本は哲学の本だけど、例外的に読みやすい。
「騎士の名誉」のくだりは
あんま関係ないので飛ばして読んでもいいと思うッス。

幸福について―人生論 (新潮文庫)
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Category: ヨガ的かんがえ, 読書

- 2015年8月18日

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