無敵の軍隊を選ばない

バガヴァッド・ギーターという聖典がある。
古代の戦争が舞台という珍しいスタイルの
聖典で、親族同士で血で血を洗う戦争を前に、
意気消沈し、絶望するアルジュナに、
戦車の御者として参戦しているクリシュナが
神である自らの正体を明かして、
真理をとくお話だ。

これはマバーバーラタという壮大な物語の
一節で、この戦争になる前、
クリシュナに助力を乞いにいったアルジュナは
ある選択を迫られる。

「無敵の軍隊か、
まったく戦わない私か、どちらか選びなさい。
私を選んだ場合、戦車の御者として私は君の
側にいよう」

戦争を前に、アルジュナはクリシュナを選ぶ。
現実的な選択をするならば確実に
無敵の軍隊を選ぶべきなんだろうけど、
アルジュナはクリシュナを選ぶことが
勝利への道であると確信しているのだ。

バガヴァッド・ギーターは
解脱にむけた心の戦いを戦争で
表して語っている、という説もある。

結果的に「神の化身」であるクリシュナを味方につけた
アルジュナは勝利する。
心の戦場で「無敵の軍隊」はなんの象徴なのか。
それはきっと富や権力など外部的なパワー。
クリシュナの象徴は、真理だ。

人生でもこういう選択はわりとある。

現世的な利益(無敵の軍隊)を得るために、
良心の声(クリシュナ)を聞かない、というのはよくあるパターンだろう。
しかし、無敵の軍隊(現世的な利益)は必ず消えてなくなる。

あとに残るのはなんだろう。
死ぬ時に後悔しても遅いから、よくよく考えて選択したい。

 

 

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Category: ヨガ的かんがえ, 読書

- 2015年2月6日

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