上達の壁を打ち破るには

ここ最近、何事においても上達を感じない。瞑想もケトルベルも、進化も上達もしていない感覚、ただの流れ作業のようになっている。一体、何が足りないのだろう、と悩んでいるときにふと木村政彦のことを思い出した。

木村政彦は世界最強の柔道家だ。群を抜いて強く、勝てる柔道家は皆無。敗者同士が「木村相手におれは3分もったけど、お前は1分だった」という負けたタイム争いをするくらいの絶対王者。

鬼の木村の強さの秘密は「3倍努力」

通常の柔道家の3倍練習すれば負けることはない、という信念のもと地獄のような訓練を自らに課した。常軌を逸した狂った努力で、木村政彦は柔道の真髄に達した。

そこから考えると私の修練に結果がでず、壁にぶち当たっているのは明らかに練習量が足りない、という結論がでる。

上達=最善の努力✕量
できる限りの最善の努力と沢山する。これしかない。

たとえば、最高の水泳のコーチにクロールのやり方を伝授されたとする。でも、その人が一日10メートルしか泳がなかったら、ちゃんと上達するだろうか?これはしない。

泳ぎの素人がやり方も教わらず、ただがむしゃらに水をかいて一日1キロ溺れるように泳いだら、上達するだろうか?これも難しい。上達するには、きちんとしたクロールを習って、1日1キロ泳ぐしかない。

瞑想もケトルベルも、やり方のマニュアルはたくさんでている。結果がでないのは、単純に「量」が足りないのだ。

それはわかった。けれど、もうひとりの私が言い訳する。「仕事と家庭で時間があまりとれないんだよ」これだけの量で、精一杯だ、という。でも、実はこれはクリアできる問題だ。

フリークライマーの尾川とも子さんが、NHKの番組「沼にハマってきいてみた」に出演していたとき、素晴らしいことを教えてくれた。

尾川さんはボルダリングという人工の壁を登る選手で、子供が2人いる。独身の頃のようにジムに通えないけれど、さまざまなトレーニングを考案して、ジムにいけなくてもさらに自分が進化しているとおっしゃっていた。聞いていて、自分が恥ずかしくなった。

生活をヨガにする、という言葉は知っていて、それなりにやっていたつもりだけど、それはあくまで「座って瞑想できないから代用としておこなうもの」という真剣さを伴わない、レベルの低いものだった。生活のなかでのヨガで上達するという発想がなかった。

木村政彦は銭湯に行くときはウサギ跳びで往復したという(また汗かくような気もするが?)
とある武術家は、新幹線で背もたれに寄りかからずに座って姿勢を鍛えている。

あらゆる機会、生活をヨガの修練にする創意工夫。日常的に体を鍛える工夫。もっとできることが沢山ある。

上達=(努力✕創意工夫)✕量

努力の質を創意工夫で変えて、量をこなしていけば、この壁は破れる。
それが私の最善の努力だ。

資料

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
増田 俊也
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Category: エッセンシャルヨガ

- 2018年10月11日

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