愚かであることは、世界に害悪を垂れ流す。
自分では悪いと思っていなくても、
その愚かさで傷つく人がきっといる。
無自覚なのが一番怖い。
無自覚だから治らない。
その人といるのが苦痛になる。
そういう人に出会い、私はうんざりし、
反面教師として学ばせてもらうことにした。
我が身を振り返ると、自分の愚かさで
傷つけたりすることが無いとはいえない。
どんな人でも影響力を持っている。
だから人はすこしでも賢明でないといけない。
それは影響力をもつ人間の責任だ。
生涯学び続ける。
人間に完成はない。
どんな人でも、改善すべきところは必ずある。
だから、どんなに年老いても私は学びつづける。
成長を終えたところで、自分を賢明にしようという
努力をやめたところで、人間としてお終いだ。
生涯学生であることを決意しよう。
それが子供の教育にも繋がる。
親の学ぶ姿をみたことがない子供が、
積極的に学ぶだろうか?
親の運動する姿をみたことがない子供が
運動する子になるだろうか?
子供も大人も老人も、
学び、運動するという点で平等だ。
自分で「勝手に完成」してしまった人間は、
あれこれと人に求められていないアドバイスをはじめる。
野球場でヤジをとばす観客みたいだ。
そんな老人にはなりたくない。
老いで弱っても、最善をつくして人生のプレイヤーでありたい。
加藤秀俊「独学のすすめ」
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