私は閑職についている。
施設警備の仕事。
普通、40代の働き盛りの人間はつかない職だ。
同僚は、だいたい平均50代。
他の組織を退職して、第二の人生として
職につく人ばかり。
この仕事を探す条件としてあげていたのは、
忙しくなくて、激しいストレスの無い仕事だった。
収入は二の次。
どうせ倹約家の私は、そんなにお金がいらない。
仕事なんてどうでもいい訳じゃないけれど、
仕事だけの人生は絶対嫌だ。
現職は、有給も使えるし、サービス残業もなく、
もちろんノルマなんてものもない。
時間に追われることもない。
そういう仕事だから休日は、自分の好きなことに
しっかりと時間が使える。
私はマルチポテンシャライトで、
(さまざななことに興味を持ち、多くのことを探求する人)
仕事に人生を占領されたくない。
あれもしたいこれもしたい。
このあいだ
「マルチ・ポテンシャライト 好きなことを
次々と仕事にして一生食っていく方法」
エミリー・ワプニック
を読んでいたら
「これ、おれのことじゃね?」と
驚くような記述があった。
アインシュタインアプローチ
<安定した「ほどよく仕事」をしながら、
情熱を持てる取り組みを他にもつ>
<アインシュタインアプローチとは、生活を支えるのに
十分な収入を生み出し、他の情熱を追求する時間と
エネルギーも残してくれる。フルタイムの仕事が
ビジネスに携わること>
アインシュタインは閑職である特許省の仕事をしながら、
相対性理論の研究に取り組んだことから、
命名されたこのアプローチは、たしかに
お金にならない、瞑想や趣味に取り組むのにベストな
やり方だ。
世の中にはお金にならないけれど、追求する価値のあること
がたくさんある。
それ以前は、この本に書いてある
スラッシュアプローチで生きていた。
スラッシュアプローチ
<パートタイムの仕事やビジネスを掛け持ちし、
精力的にその間を飛び回る>
私はヨガインストラクターと運送業のパートタイムの
二足の草鞋で収入を得ていた。
これはとても忙しかった。
パートタイムの仕事2つというのも
収入が安定せず、子供が大きくなってきたのも
あってアインシュタインアプローチに転向したのだ。
予想外だったのは、施設警備という閑職で
40代というのは、若手社員になり、
いろいろな仕事を任されるようになって、
そこそこ忙しいこと。
ちなみにアインシュタインアプローチといっても、
フルタイムの仕事は時間つぶしとばかりに
サボり倒している訳ではなく、その時間は
その時間で最善を尽くして働いている。
充実感もある。
だから、休日は心置きなく他の好きなことが
できる。
好きなことを仕事に、というと、逆に好きなことを
お金にしないといけないというプレッシャーが生まれる。
そうでなく、好きなことは好きなことのままに、にすると
純粋にそれに取り組むことができる。
アマチュアの強みはそこにあると思うのだ。