フュージョンライフ

欲にまみれた自分を信じない「セイレーン作戦」

家族の夕ごはんは子供に合わせて早い時間になる。
そうなるとあんまりお腹が減っていない。
あんまり腹へっとらんなぁ、という私に言う奥さんの決め台詞は、

「食べ始めたら食べれる」

というもの。
「まあ、ちょっとつまむ程度に食べるか」と実際に食べ始めると、
ぜんぜん食べない予定が予想以上に食べてしまう自分がいる。
まさに「食べ始めたら食べれる」なのだ。

「断食よりも、少食のほうが難しい」といった人がいるが、
こりゃ本当だ。
食べ始めると、食欲のスイッチが入る。
本当はあんまりお腹が減っていないのに食べてしまう。
いつ食べ物に出会えるかわからない原始時代の
「食い溜め能力」なごりであろう。

だからダイエットをしたかったら「間食しない」というのは
理に叶っている。
いったん食べ始めて「食欲」が起動しはじめたら、
確実に必要以上に食べてしまう。
「食欲」を煽るような行為を謹んだほうがいい。

また普通に食べていても、どこまでが腹八分目なのか、
けっこう難しいのではないかとも思った。

対策としては、
食べ始める前に
「昼飯はこれだけ食べる」という分量を冷静なうちにしっかりと
決めておくことだ。
そして、食べ始めたらもう冷静な判断は食欲にまみれて無理であると
判断して「もっと食べたい」「もっと食べれるかも」という
声を無視するという作戦だ。

名づけてセイレーン作戦
セイレーンの歌声を聞いてしまうと正気でいられないと考えた
オデュセウスは、自身をマストに縛りつけ難を乗り切った。

食欲が歌いはじめると、冷静な判断はできない。
だれかと食べるときは、
「おかわり禁止で、もうこれ以上おれに飯を与えないでくれ」と
あらかじめ告げて助けてもらおう。
食べ過ぎ傾向のある私は奥さんに監視してもらおうと思う。

ちなみにこれはインターネットを制限したり、
あらゆる欲と戦うのに使える。
欲にまみれた自分は「もっと」と言うに決っているけど、
そんな言葉は真に受けないのだ。