フュージョンライフ

逆さのポーズをしないヨガ

2013年からエッセンスヨガのクラスでは、逆さのポーズを廃止している。
「ヨガを科学する」に出会ったからだ。

ウィリアム・J. ブロード
晶文社
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この本には、ヨガと怪我のことが書いてある。
日本よりも何十年も先行してヨガブームが始まり、
スタジオが乱立したアメリカでの事例だ。
不吉な未来予想図
さまざまな怪我が取り上げれている。

私もポーズ中心のアシュタンガヨガをしていた時は
無茶な練習をして、肩を痛めたり手首を痛めたりした。
いまでは懐かしい笑い話になっている。
でも、この本に書かれてあるのは、
そんなものの比ではない後遺症で一生苦しむ怪我だ。

なかでも、ヤバいのは肩立ちや頭立ちなどの逆さのポーズ
脊椎を損傷して体が不自由になったり、
悪い場合には脳卒中になった事例がある。

私自身、肩立ちや頭立ちで怪我をしたこともない。
でも、だからこの先も怪我をしないという保証はない。
体は二本の足で支えるようになっている。
頭や肩で支える設計ではない。

深刻な怪我をした人の中には
長年練習を重ねた熟練者もいる。
脊椎へのダメージが積み重なるようにして
老化して、体が耐えられなくなり、一気に表面化するケースもある。
それが怖い。
ビギナーも怪我をするし、
積み重なって熟練者も、蓄積したダメージで体を
壊す可能性がある。

脊椎を痛めないように、敷物を引いて
練習するというやり方もある。
しかし、そこまでする意義はあるのか?

Q:脊椎の損傷をいうリクスをとってまで、
しなければいけないことって何?

A:無いです。

とくに現代人は、昔の体をバンバン使っていた
人達に比べると、体が退化している。
無茶なことをするリスクはとれない体になっている。
慎重にも慎重を重ねる。
人に害を与えない。
それがヨガティーチャーとしての責務じゃないか?

私自身も逆さのポーズの練習はやめた。
歳をとって、体が老化してから
長年の積み重ねで体がボロボロになるなんて嫌だ。

ジャンルは違うけど、大東流合気柔術の天才佐川義幸先生も、
若い時からハンマーを降る鍛錬を続け、晩年に体を痛めて動けなくなった。
ここで言いたいのは、
1000年に一人の武術の天才でも年老いた体にどんな影響がでるのか
読めなかった、ということだ。

佐川先生が読めなかった老化した体に蓄積したダメージという
要素を私が読めるとは思えない。

やらない、で解決。
ヨガを深めるのはポーズじゃない。
瞑想だ。
それは何千年も前から出ている結論。
逆さになって危険なリスクをおかす時間があるなら、
座って呼吸でも感じて瞑想しているほうがいい。


若かりし頃の私
蓮華座は座ってやろう。