もうすぐ41歳になろうというのに、
また色々なことに興味があって、
新しい事に手を出そうとしている。
まったく新しいことではない。
瞑想と武術の延長線上にあるもので、
やると何かしら得られるものがあるという
確信はある。
しかし、一方で一つの道をまっすぐに進めばいいのでは無いか?と
いう迷いもある。
一つの道とは、
アーナパーナサティ瞑想だ。
呼吸瞑想だけやっていればよし、という結論があるけれど、
あれもやりたいこれもやりたいと、私は分裂する。
青春時代からそうだった。
私は色々とやりたいことが多くて、いつも分裂していた。
それが変わっていない。
たぶん、死ぬまで変わらないのではないかと思う。
41にして惑っている。
なんで一つのことに専念できないんだろう。
一つのことを長年やり続ける人が眩しい。
いつまでも中途半端な人間でいるんだろう。
良く言えば好奇心旺盛で探究心に溢れているけれど、
この生き方は広く浅くで、どこにも行き着かない。
観光客のように、街に深く触れることなく通り過ぎてしまう。
井上雅彦さんの宮本武蔵のコミックである「バガボンド」
には、修行者である武蔵と、その幼馴染で
何事にも根気なくふらふらと生きる情けない男、又八がでてくる。
私の中にも武蔵と又八がいる。
一面、私はとてもストイックだ。
砂糖もとらない。
酒も飲まない。
煙草も吸わない。
おまけにヴィーガン(動物性のものを食べない)だ。
運動もかかさないので体脂肪率は10%以下だ。
これは私の武蔵の側面で、
ここの所は満足しているんだけど、
弱い所はとことん弱い。
又八もいる。
だから、そんな情けない又八に
ごうつくババアのお杉が語ったセリフがそのまま
胸にささる。
目頭が熱くなる。
これだ。
ただ真っすぐに、一本の道を進むは美しい。
じゃが普通はそうもいかぬもの。
迷い、間違い、回り道もする。
それでええ、振り返って御覧。
あっちにぶつかり、こっちにぶつかり、
迷いに迷ったそなたの道は、きっと誰よりも広がっている。
道が広がった分おぬしは、誰よりも人に優しくできる。
わしも、武蔵も、なれなかった人間になれる
泣ける。
私はこれからもあっちにふらふらと回り道、
迷い、ふらふらふらふら歩いて行くんだろう。
それが自分を広げるのかわからないけれど、
確かに言えることは、
私は私以外には歩いたことのない道を蛇行して歩んだ、オリジナル溢れる人間に
なって死を向かえるのだろう。
いろいろなエッセンスを吸収し、
自分なりの道を歩いて行ける、という確信がある。
人間、変えられることと変えられないことがある。
私のいろいろな事に手を出す癖は、
変えられない部類に入る。
私は死ぬまで惑う人間である、ということを受け入れることを
私の「40にして惑わず」とすることにしよう。
この巻は泣ける。
未完だけど、素晴らしい作品です。