冷たい雨が降る荒天に、
自転車で何時間も走った経験がある。
ときどき屋内に行くけれど、
外にいる時間は長く、
手の感覚は寒さで痛い。
そうなると、身も心も弱々しくなっていく。
でも、そこで二つの限界があることに気づいた。
一つは心の限界。
「寒い!もう嫌だ」と心が先に根を上げる
もう一つの体の限界はまだ先にあるはずなんだけど、
心が折れると体も折れてしまう。
そんなときは、心を沈黙させる
意識を体の感覚や呼吸にむけて、感覚を言葉で
説明せずにありのままに感じる。
寒さは変わらないけど、その意味付けを
一時停止するのだ。
戦場での死因のナンバー1は
ショック死だという。
死なない傷でも、
心がショックを受けて動転すると死んでしまう。
心を沈静化させた上で、強気になる。
どうやって強気になるかというと、
それは「大丈夫!いけるいける」とポジティブに考えるよりかは
シンプルに背骨をまっすぐに整えることだ。
体が曲がったり弱い状態になると、
弱気になる。
こうなると体の本来の能力は出ない。
電気配線が折れ曲がってショートした
機械のようなものだ。
強い姿勢で立つと、心も強い状態になるという
実験結果もある。
ヨーガスートラでもいっている。
<アーサナ(姿勢が正しく安定している)の状態にある時、
寒さ暑さ、苦楽、毀誉、褒貶等の
相対的な状態によって悩まされることはない>と。
これはストレスが満載の環境でも同じだろう。
背骨を伸ばし、なおかつリラックスした姿勢を維持した状態で
あたれば、ストレスの感じ方は変わってくる。
なにかストレスフルな状況に遭遇したら、
まず自分の姿勢をチェックしよう。
弱気になるとまず背骨が曲がる。
背骨が曲がるから弱気になるのか、
弱気だから背骨が曲がるのか。
2つは相互作用しているのだ。
姿勢を正すというのは、一番シンプルなヨガだ。
なんだかやる気がないときは、とりあえず姿勢だけでも
正してみると、心境が変わってくる。
そして、これはどこでもできる。
マットを離れたヨガだ。