今年に入ってから、なかなか革新的な本に出会えずにいたけれど、２０１８年も終わりになって、ようやく「これだ！」という本に出会えた。
スコット・カーニー著「サバイバルボディー」
白水社
売り上げランキング: 29,825
これは、ヴィム・ホフという裸で凍った湖を泳いだり、裸で北極圏を走ったりする異常に耐寒能力の高い人の話で、日本でもCMなどでヴィムさんが登場したりしたので、知っている人もいるかもしれない。
私は近年になって、毎年風邪を引くようになった。原因はわかっている。子供だ。子供たちが幼稚園に行きだして、さまざまな風邪をもらってくるようになり、大人もそれをもらうというパターンでほぼ毎年、寝込んでいる。今年の１０月にも風邪を引いて、キャンプに行くはずの休日が潰れて、強さの定義が揺らいだ。
世の中では肉体が強いというのはパワーがあること、つまり筋肉があることであるという考えが主流だと思うけれど、つねに筋肉を破壊して再生している彼らマッチョは、免疫力が低下して風邪などで寝込むことが多い。それは本当に強いと言えるのだろうか？
風邪に打ち勝つ強い免疫力は外見ではわからないけれど、まったく風邪を引かない人もいれば毎年のように流行りにすぐ乗ってインフルエンザだのなんだのを引く人もいる。
マッチョマンは外見でわかるけれど、私としては見えざる免疫力マッチョになりたい。私が欲しい肉体の強さとは、細菌やウィルスに対しての強さだ。でも、その方法がわからない。そんなモヤモヤしたときに、この「サバイバルボディー」に出会った。
なんとここには、免疫力を高めて、風邪を引かなくなる方法が書いてある。
医学的に、自律神経を操作して、意図的に免疫力を高めることは不可能とされていたけれど、このヴィム・ホフという人は、風邪の症状がでる注射を受けても、軽く頭痛がするだけでほとんど症状がでない。そして、ヴィム・ホフさんのメソッドを学んだ人も同様に、風邪にする注射が効かない。私もそんな風になりたい！
それを実現するヴィム・ホフ・メソッドの一部が本書に書かれているが、
その方法は「寒さに身をさらすこと」「呼吸法」「瞑想」だ。
それを駆使して、ヴィム・ホフさんは呼吸と瞑想で常人ならば１分と持たずに低体温になって死ぬ水温の中を泳いだり、雪の中を座って過ごすことができる。まるでヨギーではないか。
ヴィム・ホフさんは、人間が潜在的にもっている自然に対応する能力のスイッチをオンにする方法を見つけた人だ。人間には寒さに対応するシステムがきちんとある。しかし、現代の暖房やウェアが発達した世界では、耐寒能力はだんだんと落ちて、休眠状態。
私も冬というと、厚着してとにかく寒くないように心がけていたけれど、それが私を弱くしていたのではないかと反省。薄着を心がけて耐寒能力を育てようと思う。
「サバイバルボディー」はさまざまなヒントが満載の本だ。体と心を鍛えたいという人にオススメ。
「BORN TO RUN」ほどの名著ではないけれど、1000冊に１冊の革新的な本であるのには間違いない。
読んだあとに自分の認識が変わる、別人になる、という力を持った本だ。
BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族”
NHK出版
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スコット・カーニー著「サバイバルボディー」
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