週刊リクニュース


7月26日
リクよ!これが本家である私の力だッッ!


私は自他共に認める、国際的な注射嫌い。

そういえば、以前、私の怖がりプレイが伝染して、

リクまで注射嫌いになった、という話をしましたが、(
博士犬リクの健康診断)

ふふん、そんなの甘いですね。

リクには、今日の私を見せたかったです。

実は今日は、本家であり、恐怖の根元である私の

健康診断の日でした。

もう前日から、憂鬱です。

これ、基本ネ。

採血という、注射を使用する悪魔の儀式が存在するのですから。

明け方に、頭蓋骨に注射器を突き立てられて、死にそうになるという、

悪夢を見るというプロフェッショナル具合です。

健康診断には、いろいろなメニューがあって、

血圧、心電図、視力、歯科検診、聴力、体力測定、採血。

と、体を動かしたりして、悔いが残らないように、

存分に採血してくれるという順番です。

血圧、心電図、は異常なし。

視力は、なぜか
0.3から0.6に、

じつに2倍という回復具合だったのですが、

採血のことしか頭にない私は、土気色の顔で、

やったー」と言っただけでした。

歯科検診は、一昨年、死にそうな思いをして治療したので、

異常なし。

聴力異常なし。

体力測定は、握力、体位前屈、自転車での持久力の三種目。

この三種のなかでも、私が内心、
イアンソープに勝てる!

いうものがあるのです。

それは、
体位前屈!

前屈とは、腰を曲げ、手を床に向かって伸ばし、

限界はどこだ!というフリーダイビングにも似た静かな競技なのです。

私の樹立した記録は、26センチ。

つま先から、26センチ下まで、膝を曲げずに届くということです。

ふっふっふ、こんな事できる奴はそうそういまい、と少し元気に

なったところで、「ああ、残るは採血だけか」と思い出し、

再び、負け犬君に。

私くらいの注射嫌いになると、問診票にも、

<採血は横になって>という注意書きがあるのです。

危険物扱いです、まさに人間凶器。

秘密の問診票を抱え、貧乏揺すりしながら、採血の順番を待っていると、

ドナドナが聞こえてくるようです。

そういえば、去年も採血してくれる看護婦さんが3人いて、

凄いヘタな人が一人いて、腕を穴だらけにされた先輩がいたなー、

ええっ!?今回も3人いる!あああああ、怖えええ!

上手い人にあたりますように!


最高ですかー!最高でーす!

とかなり自我が崩壊しかけたところで、私の番がまわってきました。

看護婦さんは、いかにもベテランという感じで、私の秘密の問診票を

みると、「じゃあ、心電図のベットを使って採血します」と

注射器をもって、私を牽いていきました。

この状況になると、私はもう現実から逃避しています。

ひらすら、目をつむり、指示のままに動くのです。

深呼吸して、精神を落ち着けろ。

ヒクソンみたいになるんだ。

と自己催眠をかけていると。

「はい、刺しますよ、
3本採りますからね

と精神が乱れること、はだはだしいセリフが。

3本って何!ええっ?3本?注射3回?

なんだよ!怖いよ!刺さないで!


と動揺していると、額には冷や汗が浮かびます。

腕に痛みが、

「はい、痛くないねー」と看護婦さん。

(痛いよ!!)と冷や汗をながし、目をぎゅっと閉じながら、

つっこんでいる、注射が終わりました。

腕から針が抜かれるあの感覚、最悪ですね。

終わったのはいいのですが、

採血されて、私も終わっていました。

看護婦さんが、びっくりしています。

どうやら、私の顔色が
相当、死人のようなのです。

私は、
採血しただけなのに死にかけている人

という驚きの体質で、看護婦さんには、

何度も「いつもこうなの?」と確認されていました。

かなり恥ずかしいので、ベットから起きあがろうとすると、

「やばい、倒れそう」と体に力が入らない。

しまいには、問診していた服部先生までやってくる始末です。

この男は、どこか空いている部屋に
かなりの時間寝かせたほうがいい、


という話し合いが、私抜きで進み、

「先生、畳の休憩室があるので、そこまで連れていきましょう!」という

結論がでました。

私は、両脇を看護婦さんと先生に抱えられ、

捕まった宇宙人にように、連行されていったのです。

今年はたぶん、これ以上に恥ずかしい状況はないだろうな。

ちなみに、私は献血をしたことがありません。


たぶん、死にます。


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