チープカシオのような人に

 

先日、手に入れた昔ながらのカシオの安い時計。
スタンダードカシオと言う名称らしいけど、
俗称「チープカシオ」というほうが通りがいい。

ドンキホーテで1800円くらいで買った時計だけれども、
眺めるたびに満足感がある。

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思ったよりも高級感がある、なんてことは決してなくて
安い時計は安い時計なんだけれど、眺めるたびに満足感がある。
時計、なんだけど、これは私にとっては勝利の証でもある。

人は生活をダウンサイジングすることが難しい。
たとえば月収100万円の人が、いきなり月収20万円の
生活レベルに落とすのは大変な苦痛をともなう。

私がチープカシオの前に使っていたのは、
心拍計付きの活動量計のFITbitで、万歩計にもなるし
睡眠時間も測れるしのハイテク万能リストバンドだった。

新しくFitbitを買うか迷ったんだけど、えいっとダウンサイジングできた。
これも1つの勝利だ。
欲望が少なければ少ないほど自由になれる。

fitibitを止めれば、生活するのに必要なお金が減る。
必要が減れば減るほど、収入は少なくてもいいし、
借金の奴隷になることもなければ、お金に頭を悩ませることも
なくなる。

チープカシオ自体にも感じることがある。

この時計はとても安い時計だけれども、一切の手抜きをせずに
仕上げてある。
時計が正確なのはもちろん、生活防水も万全で、
20年間、庭に放置されていてもちゃんと作動していたという
驚異のエピソードがあるくらいだ。
かけられるコストは少ない、でも手は抜かない。
「最善を尽くす」という思想が道具になったかのようだ。

デザインは古臭く、逆に今みると新しく感じるくらいだ。
子供の頃に見た記憶があるから、数十年かわっていない。
でも、地道に売れ続けているから廃盤にならず、いまだに
販売されている。
これは「誠実」なモノづくりの結果だろう。
壊れたらリピートして買う人がたくさんいるから、
いままで同じ形で続いてきているのだと思う。

チープカシオ君は安売りされていても、とても誠実で最善を尽くすいい奴なのだ。
人生、こう生きたいものだと思う。
外見はチープでも、中身はしっかり信頼できる、そんな人になりたい。
ゴテゴテと肩書をもっていて、ゴージャスな外見でも、
中身は時間が狂っているような人は、やはり時間の経過で
馬脚を表して消えていくだろう。

チープカシオにそういう思いを抱いているから、
見るたびに「君はいいなぁ」と思う。
私はチープカシオのような人になりたい。

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Category: 道具

- 2016年11月2日

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