ASKAと平凡教

 

ASKAが好きだ。
CHAGE and ASKAの歌を聞くと、
青春時代を思い出す。
家族でコンサートにも行ったことがある。
熱心なファンではないけれど、ファンといえる。

いま、youtubeでASKAの歌を聞きながら、これを
書いている。
やっぱり素晴らしい歌声だ。
ステージで躍動するASKAを見ながら、
彼が陥った覚醒剤の悪循環を思うと、悲しくなる。
素晴らしければ素晴らしいほど、
壊れたときの悲しみは大きい。

かといってワイドショーの人たちのように、
正義漢きどりで、ASKAを糾弾する気にはなれない。
傍観している私も、つねにダークサイドに落ちる可能性がある。

私が覚醒剤を使っていないのは、意志が強いからではなく、
ただ、一回も使っていないという理由からだ。

基本、人を嗜好させるために人が開発した快楽の手段は、
それを使ったら、逃れるのが難しいほど、
人をのめり込ませる暗い引力がある。
だから試しに一回でも使ったら、9割方終わりだ。
ブラックホールを見たら逃げるに限る。
とりあえず入ってみたら、逃れられなくなる。

もしも、上から目線でASKAをあれこれ評価している
人たちが、一回でも覚醒剤を使ったら、一体何人が
シャブ中にならずに抜け出せるだろうか?
ただ単に、ASKAと同じ誘惑に晒されていないだけだ。
ただそれだけ。
偉そうなことは一切言えない。

有名で才能がありお金があるということは、
この上なく危険なことだ。
あらゆる誘惑の罠がその身に迫るだろう。
売人からしたら、こんなに美味しい顧客はいないだろう。

失敗は怖いか。
むしろ、もっとも恐ろしいのは成功だ。
人を本当に殺すのは成功だ。
成功のハシゴを登れば、人を転落死させる充分な高度になる。
重力はつねに働いている。

若者は有名人を目指すけれど、有名人になることは
獰猛な獣ばかりいる檻に入れられるのと変わりない。
死ぬまで食いつかれずに生きられる人は奇跡の人だ。

ファンも寄ってくるだろうけれど、同じく悪人も
美味しい蜜を吸おうと近づいてくる。

話は変わるけれど、親バカエフェクトなのか
歌の発表会で歌って踊る娘が可愛く見えてしかたなく、
将来もしかしたらAKB48的なアイドルになってしまうんじゃ
ないだろうかと心配している。
だけど、娘にはただの凡人として、普通に生きて欲しいと思う。
才能を包み隠して、ただの原石のような顔で生きて欲しい。
それはやはり成功が危険だと思うからだ。

娘がアイドルになりたいと言ったら、
「もし成功して本当にアイドルになってしまったらどうする!」と
いって怒るだろう。
父はそうなったおまえに迫る危険から、おまえを守ってやることができない。

思えば、ワイドショーで偉そうな顔で偉そうなことを言う人たちも、
成功で頭がおかしくなって、自省能力や恥ることを失ってしまったんだろう。

成功しすぎることはロクなことにならない。
しかし、ASKAが覚醒剤の魔力から抜け出して、
復帰してまたあの素晴らしい歌声を聞く日を楽しみにしている。

でも、これは矛盾だ。

私がASKAの歌を聞けるのは、彼が成功したからで、
成功したから、悪の誘惑に晒されて覚醒剤中毒になってしまった。
世の中は矛盾に満ちている。
わからない。

好きな動画。
ミスチルの桜井さんがASKAを尊敬している、という
のがありありとでている。
やっぱりASKAは凄い。

 

 



これも麻薬の一種


Category: 個人的記録

- 2016年12月16日

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