哲学が役にたたないのはもったいない

哲学者であり皇帝であったマルクスアウレーリウスは「自省録」のなかで、

「人生は戦いであり、旅のやどりであり、死後の名声は忘却にすぎない。
しからば我々を導きうるものはなんであろうか。
1つ、ただ1つ、哲学である」
と述べている。

哲学というと、今ではなんかわけのわからない概念を
あれやこれやとひねくり回している印象が多い。
でも、この大昔の哲学者の言っている「哲学」とは
「ストア派哲学」という生きるための指針であり、
生活と密着した教えだった。

私にとって哲学は仏教やヨーガの思想を学ぶこと。
だけど、それだけではほとんど役に立たない。
怒りや不安という感情のダイレクトさの前には、
頭に入っている程度の哲学は、嵐の中で傘をさすような
ものだ。
それを嵐の中の小屋にし、家にし、最後には
嵐にゆるがない城にするためには「実践」が必要だ。

「哲学」と「実践」は1つとも必要だ。
哲学がなければ、実践は存在しない。
人は本能や社会的常識のままに無自覚に生きて、
「操られるようにして生きることを実践」して死んでいく。
実践なき哲学は、なんの力も持たない。

実践とはなんだろうか。
ヨガや仏教にたとえると、
それは日々の瞑想であり、生活するうえでは
少しづつでも良いことをして生きることだ。

哲学を日々の生活で試してみる。

食べ過ぎる人だったら、貪らない実践として
いつもよりも少しだけ食べる量を減らす。
困っている人がいたら、親切にする。
自分のものを分け与える。
その少しの繰り返しが、どんどん哲学を強化していく。

人はつまり「なにを繰り返してきたか」だ。
生きている間に、善いことをしていこう。

2000年以上前の哲学者で皇帝のマルクスさんの
亡骸のポケットから見つかったとされている「自省録」
自らを省みるためのメモの言葉。

「あたかも1万年生きるかのように行動するな。
不可避のものが君の上にかかっている。
生きているうちに、許されている間に、善き人たれ」

 

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Category: 生活を変える方法, 読書

- 2015年12月22日

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