優しくて賢い娘に足りないもの

親バカと言われるだろうが、我が娘は
優しくて賢い。
幼稚園では先生の補佐役として、
お手伝いするくらい気のきく子供だ。
その能力の源泉は、繊細さにある。

順風のときは活きる繊細さだけど、環境の変化には弱い。
小学校になった今、新しい環境に適応するのに苦労している。
色々な背景がある知らない子供がたくさんいる所、
いままで出会ったことのないタイプの教師。

苦戦する娘をみて、ショックを受けた。
足りない。
これだけではダメなのか。
私は今まで、人に必要な根本的な能力は、
「智慧と慈悲」つまり
かしこくて優しい人」であるのが理想で、
死ぬまでにどれだけそうなれるかが修行なんだと思っていた。

しかし、優しくて賢い娘が機能不全を起こしているのを
みると、世の中、これだけでは生きていけないことに気づいた。
「智慧と慈悲」を補完するもの、それは「強さ」だ。

娘はこれから強くならなければならない。
異なる環境の小学校は、そのためのいい試練だ。
思うに、やさしくて賢いけれど、繊細すぎて弱い子供
の中には引きこもりになって家から出られなくなってしまう子も
いるのではないだろうか。

繊細な人は、その感受性の強さゆえに
人の痛みがわかるやさしい人になる。
物事に触れると、感受性が強いので
多くのことが引き出せるので、気のきく
賢い人になるのだけど、
反面、その繊細さが弱さにつながる。
ちょっとのことで壊れてしまう。

そういう人が大人になると、隠者気質というか
世の中から隠れて生きる、ひっそりと生きるという
生き方を好むようになる。

ちなみに、娘のことが痛いほどわかる私は、
彼女ほどではないけれど、感受性の強い隠者気質の人間だ。

でも、そんな私が最近、変わってきた。
以前の自分ならばしないであろう大胆なことを
平気でしている自分がいてビックリすることがある。

ここ数年取り組んできている肉体鍛錬が、
心の強さに結びついてきて、性格が少し変わってきた。
瞑想との相乗効果もあるかもしれない。

行動すると、何かと衝突する可能性がある。
そんな時、「強さ」がないと壊れてしまう。
だから、行動を躊躇して、狭い世界に閉じこもってしまう。

娘は優れた人だ。(まだ小学生だけど)
そんな彼女には、私よりも広い世界を生きて欲しい。
それには「強さ」を身につける必要がある。

方法としては、3つ。

「2割のやりたくないことを人生に取り入れる」

100%嫌なこと。たとえば北朝鮮の強制収容所に捕らえられるとか、
だと強くなる前に壊れてしまうだろうけど、
ほどほどにストレスのある仕事は、あなたを強くする。
そう考えると「仕事」とか「学校」はただ嫌な義務ではなく、
私や娘を鍛える、いいトレーニングになっている。
こう考えると、いままで家族を養う義務として行っていた
仕事が、いろいろな意味を同時にもつ意義深いものに思えてくる。

でも、どんなトレーニングにも共通することがあって、
壊れるような鍛錬はダメだということ。

たとえば睡眠時間もない休日もないブラック企業に勤めることは
人を壊す。
走ったことが無い人を銃で脅して、ウルトラマラソンに参加させると
死ぬだろう。
クラス中からいじめられている子供を無理強いして登校させるのは
自殺への道だろう。

だから8割は「得意、まあ大丈夫」がある環境でないと、継続して続けることができない。
2割の「嫌なこと(ストレス)」は人を鍛えるスパイスだ。

「体を鍛える」

心を鍛える最短距離は、体を鍛えることだ。
ストレスがかかると心拍数があがり、ドキドキしてくるが、
これを擬似的に繰り返すことができるのが運動だ。
息があがるような運動と休息を繰り返すインターバルトレーニング
心を鍛える効果がある。
これは私も実感している。以前に比べて、ちょっとやそっとのことが
平気になってきたし、ダメージをうけたときの回復も早い。

「食事を調える」

脳内物質は腸で作られる。
私は99%ヴィーガンで、ほぼ動物性食品を食べない。
その効果もあってか、腸の調子は絶好調だ。
いくらストレスと運動で鍛えても、食事がレトルト食品や
カップ麺ばかりだと体が回復せずに衰退していく。

あと色々あるんだろうけど、パッと思いつくのはこれくらい。
瞑想も優れているんだけど、子供でも実行できることで考えると
やっぱり「学校」「運動」「食事」かな。

というわけで、がんばれ娘!


Category: エッセンシャルヨガ

- 2018年5月5日

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