体のバランスを崩さないように鍛える

とてもいいモノだけど、個人的に合わないというものがある。
プリズナートレーニングがそうだ。
自重トレーニングの聖典であり、昨日や今日の思いつきで書かれた本ではなく、安全で効果が高い鍛錬法、、、、、、だけど、私には合わない。
いいモノである、と言えるけれど、やめることにした。

プリズナートレーニングをレベル1から、徐々に強度をあげて、トレーニングしていたけれど、懸垂のトレーニングをした翌日、体のバランスが崩れているのに気がついた。

重心が上半身に上がっている。それと共に心の安定性も失われてなんだか落ち着かない。
筋トレの本家である西洋的な肉体の理想は、
ボディービルダーのような逆三角形だ。
しかし、これはバランス的にはとても不安的だ。

三角形のエジプトのピラミッドは下が重く上が軽い。
だから長い年月崩れない。
その反対の逆三角形の建造物は存在しない。
不安定すぎて建てることすらできないからだ。

体と心はつながっている、体の安定性が失われれば、心もそれに伴う。
私はちょっと逆三角形気分を味わった。

あらためて体を部分的に鍛えるトレーニングは、体のバランスを保つのが難しいと思う。
パワーと外見重視の西洋世界を離れ、東洋の体と心のつながりを重視した世界に目を向けると、筋トレのように筋肉に効かせる、みたいな鍛え方がほとんどない。

私が知らないだけかもしれないけれど、中国武術には無いといっても過言ではない。あるのは重い武器を使って動作で鍛えるという方法だけだ。

日本をみても、侍の世界にも効かせるような筋トレはない。
木刀の素振りや、相撲、槍、弓などで鍛えた彼らは、ボディービルダーのようなグロテスクな筋肉は持たないだろうが、遥かに実用的な肉体をしていた。

そもそも私はどうして体を鍛えているんだろう?と自分で動機を探ってみると、やはり「強くなりたい」という極めて男子的な答えになる。

それならば昔、実際の戦闘で弱いことが死に直結する人々の鍛錬法を採用することが答えになるだろう。

私がある程度詳しい中国武術で言うなならば、立ち足と体のバランスを鍛える「タントウ功」と、動きを鍛える「型」と、「武器術」になる。

それらは部分部分の筋肉に効かせる、ということが無いために筋肉量を増やすという目的にはむいていないけれど、全身の力を強調して使う統一体になるという
ことでは、これにまさるものはない。
強い体、とは全身が強調して動く器用な体なのだ。
ムキムキにはならなくて寂しいけれど、プリズナートレーニングをやめることにした。

私が愛用しているトレーニングはもう一つある、ケトルベルだ。
これは継続することにする。
ケトルベルという名前ではないが、中国武術にも同じような
鍛錬があるのだ。

証拠として下記の動画を見ると、中国の南派武術の方々がケトルベルそっくりの
鍛錬をしている動画がある。








取っ手のある石を片手でスイングし、空中で回転させてキャッチする。
極めて高度で危険なトレーニングだけど、
ケトルベルのワンハンドスイングに酷似している。

武術家の彼らが採用している伝統的な鍛錬法ならば間違いない。
というわけで、最近の肉体鍛錬はちょっと武術チックだ。



 


Category: ケトルベル, 体を変える

- 2019年7月10日

Comments

  1. はじめまして。コメントは初めて残しますがだいぶ何年か前からの読者です。

    私もプリズナートレーニング、ケトルベルに惹かれ今も日々トレーニングに励んでおります。

    なにかのヒントになればと思い、厚かましいのは承知の上、書籍を3冊ご紹介させていただきます。

    現在アメリカで最も有名(私はこの団体しか知りません)なハードスタイルのケトルベルトレーニングを推しているStrong Firstを立ち上げたPavel Tsatsouline(パベル・サッソーリン)の著書です。

    1冊目の「The Naked Warrior」はOne-Arm Push Ups(片手腕立て伏せ)とPistol(片足スクワット)の2種目と付随するバリエーション種目に絞って書かれています。

    2冊目の「Kettlebell Simple & Sinister」はケトルベルを使ったTGU(トルコ式ゲットアップ)とSwingに絞った本です。

    そして3冊目は先日発売されたばかりの「The Quick and the Dead」です。こちらの本はPush UpsとSwingが取り扱われています。

    私も、プリズナートレーニングの良さもわかる…ケトルベルもいい…ジョグも取り入れたい…と行ったり来たりしていましたが、Minimalist思考に立ち戻り、この3冊をベースに鍛錬しています。ゆくゆくはSFGの公認トレーナーを目指すのも面白そうだなと考えておりますが…笑

    なにかの参考になればと思い、余計なお世話と思いながらもコメントさせていただきました。3冊とも翻訳はされておらず、Kindleで洋書を購入することになると思います。

    これからもブログの更新を楽しみにしております。

  2. ケンさんこんにちわ。
    情報ありがとうございます。
    パベル・サッソーリンの著書は、ポール・ウェイドの著書でも取り上げられていて、ぜひとも読みたいと思っています。
    しかし、いかんせん英語力の問題で翻訳しながら読む根気が足りず手つかずのままです。
    プリズナートレーニングはやめる、と書きながら、11月に発売される「プリズナートレーニング 驚異のスピード&瞬発力編」を楽しみにしています。

    SFGの公認トレーナー、素晴らしい目標ですね。
    がんばってくださいね。

  3. 追伸
    グーグル翻訳で訳しながら読んで見ようと思いThe Naked Warriorを買いました。いい刺激ありがとうございます

    • お返事ありがとうございます。

      11月の新刊も楽しみですよね。私も楽しみにしています。(ちなみに私はポールウェイドの正体はパベル氏 or パベル氏に近しい人ではないかと疑っております笑

      さっそくご購入していただけたのですね、コメントしてよかったです。内容がトレーニングに関するモノだと分かっているので、思っている以上に読めると思います。

      ちなみに2冊目の「Kettlebell Simple & Sinister」の冒頭にはtoshikazuさんが「2017年のベスト1の本」の記事で紹介している「反脆弱性」から言葉が引用されています。

      私も「反脆弱性」が好きで、冒頭のこの引用文で運命を感じた次第です笑

      これからもブログの更新を楽しみにしてます!

  4. The Naked Warrior、グーグル翻訳と推測で読んでいますが面白いですね。
    おっしゃった通り、ポール・ウェイドさんの著書ですこし予備知識があるので、かなり理解できて楽しいです。
    ポールさんとパベルさん、たしかに同じ匂いがします。

    たどたどしいながら洋書が読める、というのは世界が一気に広がった感じです。パベルと反脆弱性、抜群の組み合わせですね。
    ちょっとづつですが、バペルさんの本を読んで行こうと思います。

    • そうなんです!結構読めちゃうんですよね。そして洋書が読めると一気に世界が広がりますよね。今のワクワクとても分かります!

      ここにコメントを書かせてもらったのを機にまた「反脆弱性」を読み返そうと思っています。トレーニングやケトルベル目線で読み返したら新しい発見があるかもなので。

      洋書に少し疲れましたらYouTubeで「Strong First」や「Calisthenics」「Kettlebell」などのキーワードで検索すると日本語圏では見られないような優良な動画が溢れかえってますので是非ご覧ください。言葉が分からなくても、綺麗なフォームが見れますのでとても参考になると思います。動画によっては日本語字幕があるものもありますので、是非。

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